小野は、本作は芸術として驚いた点があると言い、「日本のアニメと描かれ方の土壌が大きく違うなと。アニメーションを芸術に全振りするとこういう描かれ方になるんだと、すごくカルチャーショックに近いものがありました。キャラクターも一つの形を保たず、どんどん形も変わっていき、服なのか体の一部なのかわからないようないろんな描かれ方をしていてすごく面白かったです」とアートフィルムとしての魅力を語る。

　また、収録時に印象に残っていることについて聞かれると、のんは「ソランジュの幼少期の家族の方々のレコーディングを見学させていただいたのですが、声優さんが普段喋るのと全然違う声で演じられていて、感動しました」と本場の声優の演技力に驚いたとのこと。

　夜道も「実際に自分でも自宅で練習して作ってきた声はあるんですけど、収録になると緊張感も増して、ソランジュは成長していくキャラクターなので、声とか演技感も変わっていくんです。その日の収録のうちに様々なソランジュを演じていくのが大変でしたね」とこれまで演じてこなかった役柄としての難しさを語る。

　小野は、「普段やらせていただいているアニメのお芝居から『引き算をして大丈夫』という演出をいただきました。『大きな表現とか絵に負けないようにといったことではなく、そのままの感情をそのまま伝えてくれて大丈夫です』と。一方で作品として大きく感情を伝えるところをリテイクで撮り直したりとかしましたね」と日本のアニメーションと真逆の演出に驚きを示した。平川は、「『愛が足りないよ！』と言われて」と監督から一風変わった演技指導をされたことを明かし、「マロナへの愛が少しでも伝わればいいなと」とはにかんだ。

■公開情報
『マロナの幻想的な物語り』
8月29日（土）より、渋谷・ユーロスペースにて字幕版先行公開
9月12日（土）より、吹替版を含め全国順次公開
監督： アンカ・ダミアン
脚本： アンゲル・ダミアン
キャラクター・デザイン： ブレヒト・エヴェンス
背景美術： ジナ・トーステンセン、サラ・マゼッティ
音楽： パブロ・ピコ
プロデューサー：アンカ・ダミアン、ロン・ディエンス、トマス・レイヤース
提供： リスキット、マクザ厶、太秦、カルタクリエイティブ
配給： リスキット
後援： ルーマニア大使館
協力： キヤトルステラ、stylab、げんべい商店
2019年／ルーマニア・フランス・ベルギー／1:1.85／5,1ch／フランス語／日本語吹替／92分
(c)Aparte Film, Sacrebleu Productions, Mind's Meet
公式サイト : https://maronas.info
公式Twitter : @maronas_fantasy
公式Instagram : @maronas_fantasy
公式Facebook : @maronasfantasy