ハナコ 岡部大、『エール』で“お笑い第7世代”演技派筆頭に? 原田泰造、角田晃広らの系譜に続くか

 元を辿れば、バスター・キートンやチャップリン、渥美清など喜劇俳優を例にとってみれば分かる通り、映画とコメディは蜜月の関係とも言える。トリオでのシチュエーションコントは、それぞれの役になりきってかけ合いをするという意味で特に舞台・劇映画に近い。それこそ、角田晃広や原田泰造、坪倉由幸など役者としても活躍する芸人にはトリオ出身も多い。角田や坪倉のような愛嬌とユーモアを併せ持つバイプレーヤーは、今ドラマ界でも強く求められている。顔の表情だけで微妙な感情を伝えるのが巧みな岡部は、第7世代の中でも一番俳優に近い存在だと言えるのではないだろうか。

 今回『エール』の制作統括・土屋勝裕氏は岡部の起用理由について、「純朴な地方の青年という五郎役にふさわしいキャストを探していた時に、岡部大さんにお会いして、弟子入りしたいと願う場面を試しに演じて頂いたのですが、顔を真っ赤にしながら涙を浮かべての迫真の演技に演出陣も納得、その場で出演をオファーしました」とコメント(参考:ハナコ 岡部大、『エール』で裕一に弟子入する田ノ上五郎役に 「人生でいちばんうれしい出来事」)。そうした感情を爆発させる演技は、これまでのハナコのコントでも度々披露してきた、岡部が得意としている分野だ。岡部は「事務所の先輩で、トリオとしてもあこがれているネプチューンの(原田)泰造さんみたいにお芝居もできる芸人を目指していきたいなと思っています」と、役者しての意欲を語っており、今後の演技にも期待がかかる。なお、『エール』のみならず、7月7日から毎週火曜放送予定の『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)にも出演。こちらも楽しみだ。

 お笑い第7世代は、テレビが厳しい時代に自分たちで切り開いてきたムーブメントであり、そのたくましさが今若い層に支持を集める理由かもしれない。それができるのも即戦力となる実力があるからこそ。彼らの独自のキャラクターとその演技力を活かせば、ドラマや映画界にも新しい流れを持ち込めるだろう。俳優人生の第一歩となる『エール』で岡部がどんな演技を見せるのか、お笑い第7世代の俳優業としての行く末を占う意味でも、目が離せない。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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