アダム・サンドラーはなぜ再び成功を収めることができたのか? Netflixとのコラボから紐解く

 分かりやすいコメディー作品を継続しながらも、このように、“笑えないコメディー”や、気鋭の犯罪映画などの斬新なジャンルにも挑戦することで、もともとクリエイティブだったサンドラーの能力は、俳優として、これまで以上に研ぎ澄まされているように感じられる。このことで、サンドラーは往年の俳優として、そして新しい俳優として認知されることになった。それを可能にしたのがNetflixやA24などの新興勢力だったのだ。そこでは、これまでの配給会社ではなかなか実現できなかった斬新な企画が受け入れられやすい。創造性のある映画人にとって、その才能を発揮できる場が増えつつあるのである。その恩恵を受け、羽ばたいたのが、アダム・サンドラーだったのである。

 先日、NBAのスカウトが主人公のNetflix映画『Hustle(原題)』で、サンドラーが新たに主演および製作を担当することが発表された。監督は、サンダンス映画祭で『We the Animals(原題)』が『ムーンライト』(2016年)と比較され注目された、やはり新鋭。そこで再びアダム・サンドラーの能力が最大限に発揮される瞬間を、楽しみに待ちたい。

■小野寺系(k.onodera)
映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。Twitter映画批評サイト

■配信情報
『アンカット・ダイヤモンド』
Netflixにて配信中

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