亀梨和也が本音を明らかに 『野ブタ。をプロデュース』が現代に問う“自分を偽ること”

 少なくともこのドラマが放送された当時、高校生がこれほどまでに自分を偽りながら巧く学校生活をやり過ごす必要性があったのだろうかと、ふと考えてしまう。それはおそらく、このドラマをリアルタイムで観ていたときに感じた、そこはかとないモヤモヤ感の正体なのではないだろうか。少なくとも現代では、年齢を問わずSNSで虚栄を張り、匿名性に甘んじてストレスの吐け口を見つけるなど、自分ではない誰かになることに誰もが慣れきってしまっているように思える。ましてや現実世界では大人になればなるほど、悪しき忖度によって初めて“上手に生きる”ことができるような時代だ。そういった人間のネガの部分に、高校生を媒介して切り込んで疑問符を投げつけたこのドラマは、やはりかなり先見的な作品であったわけだ。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『野ブタ。をプロデュース』特別編
日本テレビ系にて放送
第8話:6月6日(土)22:00〜22:54
第9話:6月13日(土)22:00〜22:54
第10話:6月20日(土)22:00〜22:54
出演:亀梨和也、山下智久、堀北真希、戸田恵梨香ほか
脚本 : 木皿泉
原作 : 『野ブタ。をプロデュース』白岩玄(河出書房新社)
音楽 : 池頼広
チーフプロデューサー : 池田健司
プロデューサー : 河野英裕、能勢荘志
演出 : 岩本仁志、北川敬一、佐久間紀佳
制作協力 : トータルメディアコミュニケーション
制作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ

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