エドワード・ノートン、『マザーレス・ブルックリン』とドナルド・トランプの関連性を語る

 2020年1月10日公開の『マザーレス・ブルックリン』より、監督・脚本・製作・主演の1人4役を務めたエドワード・ノートンのインタビューが到着した。

 本作は、トロント国際映画祭をはじめ、ローマ映画祭、テルライド映画祭、ニューヨーク映画祭などで高く評価され、当時の犯罪映画を彷彿とさせる古典的なスタイルで、今の社会問題にも繋がる現代的なテーマを描いたアメリカン・ノワール。監督・脚本・製作・主演を務めたのは、『真実の行方』『アメリカン・ヒストリーX』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞にノミネートされたノートン。一風変わったキャラクターを演じつつ、初めてシナリオに挑戦し、約20年振りにメガホンも取るなど、プロデュースも含めて1人4役の活躍を見せている。

 およそ20年振りとなる監督作で長い時間を掛けて作られたプロジェクトであることに対して、ノートンは、「そこまで長い期間を想定していた訳ではありませんでした。2012~2013年辺りに何度か制作したいと思い、キャスト&クルーと共に試みたのですが、それに適した手法を見つけることができませんでした」と、大切な作品だからこそ、生半可な気持ちでやるつもりはなかったことを明かす。

 しかし、公開タイミングについて、「ただ、不思議なもので、脚本を書き終えた時、オバマが大統領として第二期に再選したところで、自分が書いているものが、もしかしたら今の時代ともはや関係がなくなってしまったのかもしれないと感じました。人種差別による緊迫感は過去の事になってしまうのかもしれないとか、性別による力関係というのはそれほど関心の高いものではなくなってしまったのではと思いました(笑)。そうしているうちに、ドナルド・トランプが、私の映画をまた時代と関連のあるものとしてくれたという訳です。そう考えると、結果的に今こそがこの映画を作るのに相応しい時なのだと改めて思いますね。この映画の後半の部分をご覧になれば、皆さんにもきっとそう思って頂けるでしょう。現在起きている出来事に、非常に関連しています」と語る。

 前回の監督作からの20年間で、私生活でも父親になったノートン。家族と離れて過ごしていたかと思いきや、「私は地元で映画を制作しました。没頭しなければならないものでも、午後1時から午前2時まで仕事していたとしても、朝に息子を学校まで送ります。家を離れていた訳ではないのです。そして地元についての映画を作っていたのです。本作では、アレック(・ボールドウィン)、ウィレム(・デフォー)、ボビー(・カナヴェイル)と私は、5ブロック圏内に住んでいますので、多くの場合なるべくマンハッタンのダウンタウンで撮影する事にし、ブルックリンから徒歩15分で、誰もが自宅から至近距離で仕事をしていたのです」と、“地元”での撮影だったことを明かす。

 原作の1999年から映画は1957年に設定を変更し、フィルム・ノワールの世界観を踏襲している本作。参考にした作品を尋ねられると、「富は全て犯罪の上に作られたという、ロマン・ポランスキー監督作『チャイナタウン』(1974年)は私にとって印象的で、その場合、太陽が一杯のロサンゼルスの夢を見てみると、実はそれら全てが窃盗の上に作られたのだという訳ですが、そういうのがとても気に入っています」と、影響を語っている。

■公開情報
『マザーレス・ブルックリン』
2020年1月10日(金)新宿ピカデリーほかにてロードショー
監督・脚本・製作:エドワード・ノートン
原作:ジョナサン・レセム『マザーレス・ブルックリン』
オリジナル・ソング:トム・ヨーク「デイリー・バトルズ」
出演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォー
配給:ワーナー・ブラザース映画
PG12
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