『グランメゾン東京』の“チーム最年少” 芹田公一の姿と重なる、寛一郎の柔軟性

 グルメ界でのシェフたちの奮闘を描くドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)にて、その動向から目が離せない若者を演じている寛一郎。彼が演じる芹田公一というキャラクターは、その情熱や素質に期待はかけられているものの、新人として、まだまだこれからといった存在だ。彼のこのポジション、俳優業を開始してまだ間もない寛一郎本人と重なるところがあるように思える。

 『グランメゾン東京』で寛一郎の存在を知ったという方も多いことだろう。それもそのはず。これまでにもドラマ作品にはたびたび顔を見せていた彼だが、ゴールデン帯の連続ドラマにレギュラー出演するのは今作が初めてなのだ。しかし、彼に早くから注目していた方々にとっては、このごろメキメキと頭角を現してきている若手俳優の一人に挙げられる存在だといえるはずである。

 寛一郎が公の場に姿を見せはじめたのは2017年のことだが、この年に彼は『心が叫びたがってるんだ。』(以下、『ここさけ』)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(以下、『ナミヤ』)と、注目度の高い2作品でメインキャストの一人を務め、新人ながら見事にその任を果たした。前者はヒットしたアニメ映画の実写化であり、後者は東野圭吾による同名小説が原作の感動作。となればとうぜん、作品自体への注目のみならず、出演する俳優たちにも熱い視線は集中することになる。どちらも若者たちが物語の中核をなす作品で、まだ20代前半の寛一郎にとって、役を競い合う相手は数多くいたはずだ。

(c)2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会(c)超平和バスターズ

 『ここさけ』には中島健人、芳根京子、石井杏奈らがキャストに名を連ね、『ナミヤ』には山田涼介、村上虹郎らの名が並んでいる。ここに完全なる新人の寛一郎の名が並んでいるのはやはり驚きだ。しかし、実際に作品を観てみると、その根拠は明らか。劇中での彼の役者としての佇まいは、じつに堂々たるものであった。両作とも群像劇の体を取っているとあって、彼は“共同作業”、“チームプレー”が上手いのかもしれない。

(c)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

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