『G線上のあなたと私』酔っ払いの波瑠が中川大志にぶつける本音 人はなぜ結婚するのか

 結婚とは、何なのか。確かに少し前の時代では、結婚は「しなければならないもの」の印象が強かった。男性は社会的に一人前に見られず、女性は家庭に入ることこそ幸せだと言われていた時代もあった。

 だが、様々な人が声を上げた現在、結婚は「しなければならない」から「したいと思ってするもの」になりつつある。世間一般からみて「正しい」からするのではなく、自分と相手にとってそれが「最適」だからする。そんな意識に変わってきた印象だ。

 そこでも気をつけたいのが、「正しい」と「最適」も似てるようで全然違うということ。だから、私たちはいつも迷うのだ。「正しい」と思った行動が、気分のよくない結果を招くこともある。「時間を無駄にした」とやるせない気持ちになることも。だが、それも「最適」を知るために必要だった回り道かもしれない。

 その選択が「最適だった」と思えるのは、いつも少し時間が経ってからだ。“時間“こそ、幸せを求める3人の新たなキーワード。2人より少し長く生きてきた幸恵は時間の重みを知っている。浮気された夫を許せなくても長く時間を過ごすことで「決定的に憎めない何かがちょこっと残る」ことも。そして「そういう時間を棄てられない」と大事な思い出を湯たんぽのように抱えて、自分の心を温めているのだ。

 そんな幸恵の言葉から、これから誰かと生きようとしている也映子と理人は「自分の大切な時間を、誰のために使いたいかってことだよ。1番わかりやすいと思わない? 考えてみてよ」と思い浮かべる。「意識しなくても、つい一緒に時間を過ごしてしまう人は誰か」と。

「そういう誰かがさ、本当に大事な人なんだよ、きっと。時間なんだよ。私が今日、一緒に過ごしたかったのは間違いなく幸恵さんと理人くんです」

 “結婚したい“とは“そんなふうに思える人と出会いたい“という意味で、“この人と結婚したい“は”この人となら大事な時間を共有したいと思える“ということなのかもしれない。その気持ちに気づいた瞬間を友情と呼ぶのか、恋と呼ぶのか。その関係性を維持しようと努力することを愛と呼ぶのか、執着と呼ぶのか。その違いも、もう少し時間が経ったら見えてくるかもしれない。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
火曜ドラマ『G線上のあなたと私』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:波瑠、中川大志、松下由樹、桜井ユキ、鈴木伸之、滝沢カレンほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』コミックス全4巻(集英社マーガレットコミックス刊)
脚本:安達奈緒子
演出:金子文紀、竹村謙太郎、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gsenjou/

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