岩田剛典が語る、『シャーロック』で挑む新たなワトソン像 「脚本から湧くイメージを働かせて」

 フジテレビ月9枠で放送中のドラマ『シャーロック』。

 本作の原作は、世界的ミステリー小説『シャーロック・ホームズ』シリーズ。名探偵・シャーロックと医師・ワトソンがバディを組んで難事件を解決していく古典ミステリーの傑作を、オリンピックを翌年に控える“令和の東京”に舞台を移し、井上由美子脚本&西谷弘監督コンビで描く。

 本作で原作におけるワトソンの役割を果たす若宮潤一役として出演するのが、岩田剛典。若宮は、都内の病院に勤務する精神科医で、冷静かつスマートな常識人。端から見ると善良な人物に映るが、実際は傷つきやすいハートの持ち主であり、幼い頃から“良い子”の仮面をかぶり、自信のなさの裏返しから、常に虚栄心と煩悩と葛藤するナイーブな性格の役どころだ。今回シャーロックの役割を果たす誉 獅子雄を演じるディーン・フジオカとバディを組む岩田にインタビューを行った。

「台本以外のことはあまり関係ないというくらいの気持ち」

ーーこの作品が決まった時の率直な気持ちを教えてください。

岩田剛典(以下、岩田):最初にお話しいただいた時はシンプルに面白そうと思いましたし、フジテレビの月9枠でこういう作品をやるのもいいなと。

ーー原作は世界中にファンが存在する大きな作品です。それに対する気負いなどはありましたか?

岩田:実は僕が今まであまり『シャーロック・ホームズ』に触れてきていなくて、だからこそ気負わずにやれているんです。原作のファンの方は、「大丈夫?」「気負うでしょう」と思うんでしょうけれど、無知だからこそ、あまりそういうことは考えず現場に入れています。役者は台本を元に作品が良くなるようにやるので、正直言うと台本以外のことはあまり関係ないというくらいの気持ちでやっています。

ーー過去にたくさんの役者の方々がワトソンを演じられてきましたが、そういうのは逆に入れないようにしていたんですね。

岩田:そうですね。全部ではないけれど、いくつかは拝見しました。でもそれぞれお話も違いますし、時代背景や舞台設定も違うから、同じものにはなりようがないですよね。例えば原作だと、ワトソンは軍医でアフガニスタンから帰ってきたという設定がありますが、それを令和の東京でやるのは、感情移入しづらいのではということで、今回は精神科医になっているんです。そういうこともあり、原作に寄せるというよりは、自分の中で脚本から湧くイメージを働かせて演じることを意識しました。

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