『スカーレット』は有名子役が大渋滞! 朝ドラ序盤の重要な“つかみ”を担う、子役たちの輝き

 さらに、本作の子役で注目すべきは、ヒロインの妹で川原家の三女、現時点ではおんぶされている赤ちゃん・百合子の成長後。

 まず登場するのは、朝ドラ『とと姉ちゃん』のほか、『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』『トレース〜科捜研の男〜』(ともにフジテレビ系)、『この世界の片隅に』『アンナチュラル』(ともにTBS系)、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)と出演作が続く稲垣来泉。

 そこからバトンを受け取るのが、住田萌乃。朝ドラ『マッサン』やNHKドラマ『奇跡の人』、民放ドラマでは『明日、ママがいない』『視覚探偵 日暮旅人』(ともに日本テレビ系)、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』など多数の作品に出演し、米津玄師がプロデュースした「パプリカ」を歌う「Foorin」のメインボーカルとしても活躍している、売れっ子有名子役だ。

 それだけでもすごいのに、さらにバトンを受け取る豪華リレーの最終ランナーは、福田麻由子。ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)、『白夜行』(TBS系)をはじめとした数々の名演技に魅了された人は多く、キャリアも実力も「別格」の有名子役出身の女優である。

 朝ドラの前作『なつぞら』が、ことごとくイケメンを集めていたのに対し、『スカーレット』の有名子役の充実度は特筆すべきポイントだろう。

 そんな有名子役たちに囲まれながらも、現時点で一番気になる子役といえば、林遣都の幼少期で、喜美子の同級生・大野信作を演じる中村謙心だ。

中村謙心

 器量の良さから照子に盛んにアピールされる役どころだが、素直でちょっと線が細く、育ちの良さそうな坊ちゃんぶりは、好印象だ。しかも、活発な喜美子に子分のように扱われているかと思えば、その言動に振り回されつつ、関心を示していく好奇心の強そうな雰囲気には、視聴者も思わずクスリとさせられる。達者な子役ばかりの中で、彼は本作が俳優デビューというから、今後の活躍が非常に楽しみな人材だ。

■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
NHK総合にて、2019年9月30日(月)〜2020年3月放送予定
出演:川島夕空、北村一輝、富田靖子、財前直見、佐藤隆太、村上ショージ ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記
演出:中島由貴、佐藤譲
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/

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