スパイダーマン離脱に、Disney+の配信 変化が訪れるMCUの今後を、杉山すぴ豊が大胆予想!

MCUは「マーベル・シネマティック・メディアバース」に

 今回MCUがディズニー・プラスのドラマを含んでいることは大きなポイントです。もちろん『エージェント・オブ・シールド』は映画『アベンジャーズ』のスピンオフだったし、他のドラマ(ネットフリックスの『デアデビル』など)もゆるくMCUと連動していましたが、ビジネス上は、マーベルのTV部門が作っており、ケヴィン・ファイギ率いるマーベルの映画部門=マーベル・スタジオの製作ではなかった。しかしディズニー・プラスのドラマはマーベル・スタジオが製作し、より映画とのリンクが深まるようです。僕はSDCCで何度もマーベル・スタジオのパネル(発表会)に参加しましたが(参照:フェイズ4発表でさらに加速するMCUの熱狂 杉山すぴ豊のサンディエゴ・コミコン現地レポート)、映画とドラマを一緒のステージで、しかもケヴィン・ファイギがプレゼンするというのは今回初めてだったのです。映画と配信メディアのクロスオーバーでMCUを仕掛けていくという意味でメディアバースと言えます。

MCUは「マーベル・シネマティック・マルチバース」に

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でも語られ『ドクター・ストレンジ』の新作タイトルや『What If(マーベル版、もしもの世界)」ということからもわかるようにMCUはパラレル・ワールド(別次元のユニバース、僕らが生きている世界とは別に、もう一つの現実があるというアイデア)という設定を積極的にとりいれていくでしょう。そうなると今までのMCUで死んだキャラが他の次元では生きているみたいな設定で復活させたりすることもできるかもしれません。

 実際『ロキ』は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のロキの運命の続きではなく『アベンジャーズ/エンドゲーム』のNYの場面でのロキの続きであるらしく、“新たな現実”の中でのお話になります。

MCUは「マーベル・シネマティック・コズミックバース」に

 『エターナルズ』『ソー(マイティ・ソー):ラブ&サンダー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』『キャプテン・マーベル2』と宇宙を舞台にした冒険ものが増えていきそうです。マーベルのコミックの世界にはノバとかシルバーサーファーとか魅力的な宇宙ヒーローが多いのでこうしたキャラをどんどんデビューさせるのかもしれません(なお、さりげなく、ノバという単語が『スパイダーマン・:ファー・フロム・ホーム』に出てきます。ティザーだったのかな<笑>)。

MCUは「マーベル・シネマティック・ダイバーシティバース」に

 シャン・チーがアジア系アメリカ人ヒーローだったり、コミックでは男のヒーローを映画では女性に変えたり等、“ヒーロー=白人の男”という定石を壊していくようです。またLGBTという設定もとりいれていくようです。従ってダイバーシティ(多様性)を意識したキャラ設定・キャスティングが増えていくようですね。

MCUは「マーベル・シネマティック・Rバース」に

 これは僕がもう勝手に言っているのですが、吸血鬼ハンター『ブレイド』はもともと別の映画会社さんで血とバイオレンスに彩られたR指定作品として作られ、大成功しました。もし今度のMCU版『ブレイド』がディズニー傘下の作品であるにも関わらずR指定でいくのなら、この先R指定のMCUヒーロー映画の先駆けになるかもしれない。そうなるとデッドプールやパニッシャー映画の可能性も大になるのです。

 いかがだったでしょうか? スパイダーマンについては、それでもまだソニーとディズニーが水面下で交渉中との噂もあります。これを機にヴェノムのMCU入りもありとの噂まで。考えてみれば去年の今頃はジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』はもう観られないとされていたのに電撃復帰したわけですから、なにがあるかわからない。

 あと先ほど『ファンタスティック・フォー』という書き方をしたのは、SDCCの場でケヴィン・ファイギは確かに『ファンタスティック・フォー』は企画中と言ったのですがX-MENについては、X-MENではなくミュータントと言ったのです。つまりX-MENのキャラはこの先MCUに登場するがX-MENの映画にするかどうかは未定ということでしょうか? 

 これについてファンの間では、コミックで有名な“ウルヴァリンVSハルク”というエピソードがあり、これの映画化をして欲しいと願っています。MCUは映画自体もワクワクしますが、これからのラインナップを聞きながらああだ、こうだと予想するのも楽しいですね!

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■リリース情報
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
発売中
『アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX』:4,200円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEX』:8,000円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定)』:10,000円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム&インフィニティ・ウォー MovieNEXセット(数量限定)』:8,400円+税
『アベンジャーズ:4ムービー・アッセンブル(数量限定)』:13,200円+税
(c)2019 MARVEL

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
12月4日(水)ブルーレイ&DVD発売、同時レンタル開始
11月6日(水)よりデジタル先行配信
日本限定プレミアム・スチールブック・エディション【完全数量限定】:9,800円+税
ブルーレイ&DVDセット【初回生産限定】:4,743円+税
4K ULTRA HD & ブルーレイセット【初回生産限定】:6,800円+税
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式ホームページ:http://www.spiderman-movie.jp/
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