阿部サダヲが語る、『いだてん』第二部の見どころ 「笑えるし泣けるし話し合える」

憧れだった“ショーケン”との共演

ーー第25回は萩原健一さん演じる高橋是清のアップという印象的なシーンで幕を閉じました。

阿部:リハーサルの時から存在感がすごかったです。お会いしたのは初めてだったんですけど、「うわ、ショーケンだ……」って感じがしました。ショーケンさんを目指している俳優さんはいっぱいいますし、出演者の俳優さんからもそのシーンのことをすごく聞かれました。自由な演技をされていて、役者はこうじゃなきゃいけないというルールがない姿勢に僕も憧れていました。

 なかなか会えない俳優さんですし、その時はもう会えなくなるとは全く思ってもいませんでした。ご病気だっていうことも知らなかったので。台本にはご自分で書き加えられた文字が沢山あって、すごく熱心に台本と向き合っていらっしゃいました。宮藤(官九郎)さんの台本には、ト書きがあまりないんですけど、「どうしてこっちに動くのか」といった意味づけを考えている方でしたね。田畑は(高橋是清の元に)オリンピックに参加するためのお金を貰いに行ったあと、(第25回以降で)もう一回尋ねるんです。田畑がオランダ土産の木靴を渡すんですけど、アドリブで木靴で僕を殴ってくれたんです。ものすごく痛かったですけど、それで僕はショーケンさんに最後に殴られた俳優だって箔が付いたので嬉しいです。

ーー第25回では金栗と言い争いをするシーンがありましたが、今後2人の共演シーンには期待できますか?

阿部:今後、オリンピックが中止になるのを聞いて、金栗さんが乗り込んでくるシーンがあるんですね。オリンピックとはどういうものかという話を2人でするシーンで、まだ撮ってはいないんですけど、そこでガッツリお芝居をする予定です。

ーー今後のストーリー展開で見所は?

阿部:1940年の東京オリンピック招致の模様が描かれ、様々な国の言語が飛び交う第33回は、僕がほとんど見ているだけの回なんです。副島道正(塚本晋也)さんとか、治五郎さんも英語を喋ってすごい回です。ただ、一貫して田畑は英語を喋んないんですよね。田畑も外交をするようになると思うんですけど、この先今後は星野源(外交評論家/ジャーナリストの平沢和重)くんが喋るらしいので、ホッとしています。

ーー阿部さんが『いだてん』を通して、視聴者に伝えたいメッセージは?

阿部:スポーツを通して明るくなれるということを伝えたいです。スポーツを観ているだけで笑えるし泣けるし話し合えるじゃないですか。スポーツ観戦している様な感覚で観ていただきたいです。

(取材・文=渡辺彰浩)

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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