阿部サダヲが語る、『いだてん』第二部の見どころ 「笑えるし泣けるし話し合える」

 阿部サダヲ演じる田畑政治が主人公となる『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』第二部が、第25回(6月30日放送)よりスタートした。「口が韋駄天」と評される田畑の早口もあいまって、物語はよりスピーディーな展開で繰り広げられている。出場することに意味があったオリンピックから、「勝つこと」が求められるオリンピックへと変化し、更に物語は今後、戦争へと突入していく。

 リアルサウンド映画部では、田畑を演じる阿部サダヲにインタビュー。演じる田畑の性格から、萩原健一との共演、第二部の見どころまでじっくりと語ってもらった。(編集部)

田畑を演じる上での“ギリギリのライン”

ーー主人公がマラソン選手である金栗四三(中村勘九郎)から、新聞記者の田畑政治へと移り変わりました。阿部さんが思う第二部の見どころはどんなところですか。

阿部サダヲ(以下、阿部):まずオリンピック選手たちが増えたことですね。初めて出場した時は金栗さんと三島さん(生田斗真)の2人。メダルも取れずというところから、1932年開催のロサンゼルスオリンピックではたくさんのメダルを採ります。その時のお祭り具合、選手が楽しんでいる光景は、いいなって感じがするんです。実際にほかの国の選手たちとも踊ったり、和気藹々としているシーンがあるんですけど、それってオリンピックならではというか、それがやりたかったことなんじゃないかって見えるシーンがあるので。そういったオリンピックの描写は、金栗さんの頃とは変わってきていると思います。選手の実力も世界に通じるようになってきているので、自信がついているんですよね。田畑も外国の選手に物怖じしないし、口が悪いんですよ。「ヤンキーども!」とか言ったり。でも、唯一(アドルフ・)ヒトラーさんにはさすがの田畑もビビってました(笑)。あとは、みなさんが知っている水泳の「※前畑ガンバレ!」のようなオリンピックの名シーンが出てきたりしますし、出演者もガラッと変わったりしています。

※日本人女性初の金メダリストなった前畑秀子(上白石萌歌)の平泳ぎ決勝の際に、NHKの河西三省アナウンサーが「前畑ガンバレ!」を24回繰り返し伝説となったラジオ放送。

ーー田畑は早とちりで落ち着きがない性格です。

阿部:(嘉納)治五郎さんが田畑に言うセリフで、「彼は口が韋駄天だな」というセリフがありましたが、そうじゃなきゃいけないんだろうなと。史実を聞くと、実際の田畑さんも早口で、たまに何を言っているか分からない人だったらしいんです。本当に何を言っているか分からないと視聴者の方に伝わらないので、ギリギリのところまでいけるといいなと思って頑張るんですけど、そこが難しいところで。若い頃に比べて後半では落ち着いてきますけど、考えるより先に口が出てるような部分が出せるといいかなと思って演じています。

ーー薬師丸ひろ子さん演じるマリーから「30歳までしか生きられない」と告げられるわけですが、それをきっかけに田畑のモチベーションはどのように変化していきますか?

阿部:当たらない占いをきっかけに田畑は成長していきます。短命の家系で気づいたら忙しすぎて30歳を超えてたっていう。生きる喜びを見つけて、そこから変わっていくんだと思います。相当、生き生きしながら成長していきますけど、スポーツに関してだけは負けず嫌いな人なんです。「負けても清々しい」と言っている犬養(毅)さんに、「勝たなきゃ駄目です」って言っちゃうような人で、そこが面白いなと思えるし、知らず知らずに関わっている人によって、田畑さんは成長していっているんじゃないかなと思います。急に結婚もします。今後、奥さんの言葉で変わったりすることもたくさんあるような気がします。

ーー妻の酒井菊枝を演じる麻生久美子さんと現場ではどのような会話をされましたか?

阿部:まだ2日間ぐらいしか撮影していなくて、あまり話せていないんですけどね。麻生さんとガッツリお芝居をするのはこれからで、結婚してからは麻生さんと喋るシーンが多いんですけど、職場にいる時は田畑が気づかないくらい黙っている人だったりして。麻生さんは、いるだけで優しい気持ちになれるというか、存在感がある方なんですよね。田畑が一生懸命面白いことを喋っても全く笑わないで、だけど遅くまで一緒に残ってくれたり、毎日夜食のお弁当を持ってきてくれたりする役なんです。会話はなくても分かってくれる、すごくよく気がつく女性だと思います。

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