“夕見子節”は健在! 『なつぞら』福地桃子が物語のアクセントに

 『なつぞら』(NHK総合)第15週の初日。妹・千遥(清原果耶)に会えず、天陽(吉沢亮)との別れを痛感したなつ(広瀬すず)。しかし帰省してきた夕見子(福地桃子)に振り回される富士子(松嶋菜々子)たちの姿を見て、懐かしさを感じていた。

 北海道大学に通う夕見子は、相変わらずはっきりとした物言いで富士子たちをたじろがせる。その様子に思わず咲太郎(岡田将生)は笑ってしまう。咲太郎は「なつは、本当に面白い家で育ったんだな」と言うが、その言葉には、なつが育った環境への安心感が感じられる。なつに向ける、兄らしいあたたかな視線が印象的だ。

 なつは久しぶりに夕見子と明美 (平尾菜々花)と同じ部屋で眠る。なつと明美の仲睦まじい様子が可愛らしい。夕見子はなつが短編映画制作の参考として持ってきたグリム童話を見て、なつと咲太郎の関係を童話『ヘンゼルとグレーテル』になぞらえた。「帰り道が分かるようにパンをちぎって落としていくでしょ。あんたら兄妹にとって、そのパンが絵なんだわ」。夕見子は力強く「なつがやるならこれしかないしょ」と訴えた。なつは困惑した表情を見せていたが、この例えは東京に戻ったなつに影響を与えていくものになるのだろうか。

 咲太郎は柴田家と飲み交わしていた。なつたちの父と交わした約束を果たした剛男(藤木直人)に感謝の意を伝える咲太郎。そんな咲太郎に泰樹(草刈正雄)が声をかけた。「お前はここまでよくやったな」「この先も、胸張って生きれ」。咲太郎は泰樹の激励の言葉に戸惑ったような表情を見せたが、照れくさそうにその言葉を胸に刻んだように見えた。

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