『なつぞら』インタビュー

岡田将生、『なつぞら』現場の師匠は山口智子 「お芝居って自由なんだなと教えて下さる」

「温かい目で見てほしい」


ーー咲太郎の東京での家族・岸川亜矢美さんを演じるのは山口智子さんですね。

岡田:大先輩ですね。お芝居って自由なんだなと現場で教えて下さる方です。僕はどうしても一つに固めていくところがあって、この役はこうだ、とか理詰めしてしまうのですが、山口さんを見てるとそんなことはどうでも良くて、本当に一瞬一瞬を生きていて、それが芝居だと見せてもらっている気がしています。すごく楽しくて、学ぶことがたくさんあるんです。フラットな状態で演じた方がいいんだな、ということを最近よく感じています。

ーー咲太郎の一番興味深い点はどこですか。

岡田:咲太郎は自分ではなく他人のために生きている人なんです。だから自分がどうこうじゃなくて、まず他人を考える。そういう生き方はすごく興味深いなと思います。僕もそうでありたいんですけど、どこか自分中心で回っている部分もあって、咲太郎とは全然違って。だから、演じる部分でも、まず他人の気持ちを考えてからお芝居するように心がけているんですが、意識してやってみるとすごく面白いです。


ーー咲太郎は歌とタップが好きという役柄で、子供時代を演じた渡邉蒼さんが華麗なタップを披露していましたが、岡田さんはその辺りはどんな感じに?

岡田:そこはちょっと、コメントは控えさせていただきたいと……。

一ー(笑)。

岡田:元々歌もダンスも本当に不得意で、心の中で「嫌だ!」って叫んでたんですけど(笑)。でも、今回のキャラクターの一つのパーツとして面白いなと思ったので、時間がある限りは練習して、僕なりに頑張らせていただきました。あと、去年からずっと座ってる稽古が多かったので、立って動けるのがすごく嬉しかったです(笑)。すごく楽しんでタップをやらせてもらって、動きと音がハマっていくと爽快感があるんです。咲太郎はこのリズムで生きてる人なんだなということを知れた部分はありました。温かい目で見てほしいです(笑)。

ーー視聴者に、ここを楽しんでほしいという部分はありますか?

岡田:朝ドラのように半年間放送されることになると、いろんなところで話が絡まっていって、なつや周囲の人たちが成長していく姿が本当に素敵なんです。大森(寿美男)さんが書く物語のあたたかさに朝から癒されるし、勇気をもらって元気になれる。僕自身もびっくりするような展開がいくつもあって、それも楽しみにしていてほしいです。

ーー100作目の朝ドラとして、今までの朝ドラの歴史を背負うという一面もあるかと思いますが、その意気込みを聞かせてください。

岡田:他の朝ドラも本当に素敵で、僕も『なつぞら』を盛り上げていきたいし、ヒロインを支えたいです。そして皆さんの記憶に残る作品にしたい。僕自身に関しては、咲太郎という役をいろんな方々に愛されるようにしたいなと思っていて、現場でも目標があるんです。皆さんから今は「咲太郎さん」と呼ばれるんですけど、終わる頃には「咲ちゃん」って呼んでもらえるようなキャラクターにしたいです。

(取材・文=大和田茉椰)

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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