『なつぞら』山口智子×比嘉愛未、元朝ドラヒロインの貫禄 咲太郎を取り巻く恋路にも注目
『なつぞら』(NHK総合)「東京・新宿編」が、第8週「なつよ、東京には気をつけろ」よりいよいよ本格スタートした。
なつ(広瀬すず)と共に上京する雪次郎(山田裕貴)の送別会、北海道大学に入学が決まった夕見子(福地桃子)の合格祝いを経て描かれる開拓者・なつたちの上京物語。文化の中心地・新宿という舞台から一見華やかなスタートにも見えるが、そのタイトル通りに前途多難な結果となる。咲太郎(岡田将生)とあっけなく再会したなつは、服のボタンを全て掛け違えるほどに上京の意味を勘違いしまくった兄に振り回されることに。その過程で出会うのが、おでん店「風車」女将・岸川亜矢美(山口智子)だ。
亜矢美は、咲太郎を母親のように可愛がり育てた、劇場「ムーランルージュ」の元ダンサー。言わば、なつにとっての柴田家と同じ存在だ。亜矢美と咲太郎の親子のようなやり取りを見て、なつは改めて北海道の家族の大切さ、恋しさを確認することとなる。実は、第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」第30回にて、会話の中で登場していた新宿編において重要人物の亜矢美。印象的なのは、現役の歌手・煙カスミ(戸田恵子)にも劣らない、その派手な風貌だ。映画『カルメン故郷に帰る』の高峰秀子を参考にしたという亜矢美の衣装や髪型からは、夢ある華やかさを感じさせる。
第8週のラストを飾る第48回では、かつてのムーランルージュで一世を風靡したダンサーとしての亜矢美と子供時代の咲太郎(渡邉蒼)がタップダンスで心を通わすシーンが。映画『座頭市』などを手がけたHIDEBOHが指導を担当したタップダンスは、2人がどれだけの情で結ばれているかを体現したものであり、なつが柴田家で酪農に専念していた一方で、咲太郎もまた幸せに生き、夢を育んでいたことを思い起こさせる(ちなみに、放送日の5月25日は「タップダンスの日」)。