『スケート・キッチン』NYのガールズスケートクルーが考える、“女性のためのホーム”が必要な理由

スケート・キッチンが語る、NYで生きること

 ニューヨークを拠点に活動するガールズスケートクルー、“スケート・キッチン”を主演に迎えた映画『スケート・キッチン』が公開中だ。

 第34回サンダンス映画祭で絶賛され、各国の映画賞を受賞した本作は、2011年よりMiu Miuが始めたプロジェクト『Miu Miu Women’s Tales』(Miu Miu【女性たちの物語】)の1本として、2016年にクリスタル・モーゼル監督によって発表された『That One Day』という短編作品が元になっている。今回、『スケート・キッチン』として長編映画化されるにあたり、スケート・キッチンのメンバーのほか、ウィル・スミスを父に持つ、『幸せのちから』のジェイデン・スミスも出演している。

 さまざまな人種的バックグラウンドをもつ少女たちは、ジェンダーやセクシュアリティについての議論が活発にされる今、ニューヨークの街でどう日々を生きているのだろうか。スケート・キッチンにクルーであるアジャニ・ラッセル(インディゴ役)、カブリーナ・アダムス(ルビー役)、ジュールズ・ロレンゾ(イライザ役)、ブレン・ロレンゾ(クイン役)の4人に話を聞いた。

「女の子が一丸となってサポートし合う」

ーースケート・キッチンが映画になると知った時、どう感じましたか?

ブレン・ロレンゾ(以下、ブレン):今回長編映画化される前に、Miu Miuの『That One Day』という作品があったので、その続きとして作れることはシンプルに嬉しく感じました。でも特に、「また映画になる!」という興奮があったわけではなく、もう1回しっかり作り上げていこうという気持ちだった。

ジュールズ・ロレンゾ(以下、ジュールズ):すでに監督も含めてスタッフもみんな友達で、一緒に活動していたので、映画を作ることになったのは自然な流れだったと思う。

アジャニ・ラッセル(以下、ラッセル):普通の映画だと、主人公の女の子に対していじわるな女の子がいてーーというストーリーラインが多いと思うけど、『スケート・キッチン』は女の子が一丸となってサポートし合う映画になっている。白人だけじゃなくて、ヒスパニックや黒人など、いろんな人種の人が前に出てくるのも嬉しかったわ。今はInstagramなどのSNSが若者世代の行動のベースになっていて、映画の中にも出てくるけど、『スケート・キッチン』は面と向かって人と触れ合うことを描いていると思います。

カブリーナ・アダムス(以下、アダムス):映画になることはすごくいいことだし、実際に公開されて、どんな反響があるか楽しみです。

ーー制作にあたり、監督とは長い間ともに過ごしたり、一緒に暮らしていた時期もあったんですよね。

ジュールズ:クリスタル監督と一緒にいるときに、監督が私たちの日常の中から気になることをメモして、それを映画に取り入れていきました。生理について話すシーンとかは、実際に私たちが話していたこと。映画を撮るために何かした、というよりは、いつも通り自然体でいた私たちを、監督がノートをとって映画に反映した、というほうが多いわ。

ラッセル:セリフも用意はされていたけど、実際に日常で話していた会話を多く盛り込んでいたので、あまりわざとらしくない感じで演技できたと思う。

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