『トレース~科捜研の男~』錦戸亮の哀しみの涙 事件の鍵を握るのは千原ジュニア&萩原聖人?
そして今回のストーリーで最も心を揺さぶったのが、真野が見せる涙だろう。真野の姉は妊娠したまま殺害されていた。そのことが事件の真相の手がかりとされていたが、真野の両親と姉を殺害した人物は姉のお腹の中にいた子どもの父親ということがDNA鑑定から発覚する。真野はこれまで遺族に事件の真実を伝える際にも涙を見せていたが、武蔵野一家殺人事件で涙を見せたのは初めてだ。話す言葉までも震えるほどに哀しみの感情が溢れだす。『トレース』において、錦戸亮の演技は武蔵野一家殺人事件に関わるシーンでより本領を発揮すると言っても過言ではない。第6話のノートを受け取る場面が「怒り」だとすれば、今回のシーンは「哀しみ」に振り切れた演技だった。
いよいよ迎える最終話で注目となるのが、「『武蔵野一家殺人事件』の犯人は誰か」という最大の謎だ。事件の打ち切りを命令しているのが警視庁刑事部長の壇浩輝(千原ジュニア)と考えるのが妥当であるが、それとは別に一家を殺した犯人として一人浮かんで来るのが早川尚文(萩原聖人)。河川敷で死体として発見されるホームレス男性・新妻大介の高校時代の担任として早川は第6話より登場し、真野の過去を知る人物として協力していくが、有力な証言はそこまでなく、言ってしまえば本当に安全な人物かも怪しい。最終話の予告では、広い廃墟のような場所で真野と何者かが2人でいるシーンが確認でき、「嘘だ!」と真野が叫ぶシーンが。第9話で「もしお前の大切な人を殺した犯人が見つかったら、復讐したいと思うか?」という虎丸からの問いに真野は何も答えなかった。不穏に垣間見せるその復讐心を真野はどこに解き放つのか。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
『トレース~科捜研の男~』
2019年1月7日(月)スタート 毎週月曜21:00〜21:54放送
出演:錦戸亮、新木優子、山崎樹範、岡崎紗絵、矢本悠馬、山谷花純、加藤虎ノ介、小雪、遠山俊也、篠井英介、船越英一郎
原作:古賀慶『トレース~科捜研法医研究員の追想~』(ノース・スターズ・ピクチャーズ『月刊コミックゼノン』連載)
プロデュース:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭、相沢秀幸、三橋利行
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/trace_drama/