三代目JSB今市隆二が俳優デビューへ 日本発の映画祭『SSFF & ASIA in ハリウッド』レポ

 ロサンゼルスには珍しく、当日は雨模様だったが、TCLチャイニーズシアターの劇場は満席に。近年、欧米における日本文化への関心は非常に高まっており、この日も日本発の映画祭ということで興味を抱いた観客が多く訪れていたようだった。イベント開始前の挨拶では、AKIRAと小林直己が所属するEXILEが、日本の大人気ボーイズ・グループであると紹介されたことに対し、ジェイソン・ライトマン監督が「君たちがボーイズ・グループ?」と驚き、会場が笑いに包まれる一幕も。また、日本らしさを伝えるために、LDHの面々が日本語でスピーチをする中、小林直己は司会者のリクエストから流暢な英語でのスピーチを敢行。訪れた観客から大きな喝采を浴びた。今回の映画祭の成功は、日本の映画界の未来にとっても着実な一歩となったに違いない。

この日上映された、『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』よりTAKAHIRO主演作『カナリア』のメイン画像。松永大司監督が手がけている

 EXILE HIRO、AKIRA、小林直己、今市隆二の4名は、記者陣の囲み取材にも応対。ジャパン・ハウスの後援もあり、ハリウッドで『CINEMA FIGHTERS』を上映できたことについて、EXILE HIROは「2016年から始めた『CINEMA FIGHTERS』が、こういう形で上映できたのはすごく嬉しい。継続してアピールしていきたい」と意欲を述べた。また、俳優デビューを発表した今市隆二は、「もともと映画が好きで、イメージを絵にする仕事はいつかしてみたかったこと。2018年にソロ活動を開始して、ブライアン・マックナイトを始めとした海外のアーティストとフィーチャリングしたことで、表現に対する視野が広がり、歌だけではなく、幅広い表現に挑戦してみようと思った」と、俳優業へ挑戦することを決めたきっかけについて明かした。そんな今市隆二に対して、俳優として先輩にあたるAKIRAと小林直己は、「表現者として高いポテンシャルがあるので、初めての演技とはいえ期待ができる。(今市は)三代目J SOUL BROTHERSで、お芝居を求められるMVもやっているので、ファンの方々もお楽しみに」(AKIRA)、「三代目のツアーではいつも、隆二の言葉に心を動かされる。彼の心の底から出てくる表現は一流のもの。今回のチャレンジで新たな表現を手に入れた隆二が、これからどんな歌を聴かせてくれるのか、一人のファンとしても楽しみ」(小林直己)と、それぞれにエールを送った。今市隆二の出演作は、ソロで自ら主題歌も担当し、思い入れのあるロサンゼルスで全編を撮影するという。春頃にクランクインし、秋には公開される予定だ。

 エンターテインメントの世界では今、アジアが大きなキーワードとなりつつある。ジャパン・ハウス、SSFF & ASIA、そしてLDHが手を取り合って開催された今回の『ショートショート フィルムフェスティバル in ハリウッド』で示された、日本のエンターテインメントをLAの地から世界中に発信するというビジョンは、いよいよ現実のものとして実を結びつつあるのかもしれない。

(取材・文=松田広宣)

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