韓国人女優クラウディア・キムが明かす、『ファンタビ』でナギニを演じることになった背景

 『ハリー・ポッター』魔法ワールド最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が現在大ヒット公開中だ。前作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で登場した“黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)に、魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が仲間や魔法動物たちと立ち向かって行く模様を描いた本作。『ハリー・ポッター』シリーズにヴォルデモート(レイフ・ファインズ)のペットかつ分霊箱のひとつであった大蛇の姿で登場していたナギニが、今回人間として登場することが公開前から話題になっていたが、そんなナギニを演じているのが、韓国人女優クラウディア・キムだ。

 今回リアルサウンド映画部では、プロモーションのために来日した彼女にインタビューを行い、『ハリー・ポッター』から続くシリーズへの思い入れから、ナギニ役に決まった背景やクリーデンス役のエズラ・ミラーとのエピソード、そしてハリウッドに渦巻く人種問題についても語ってもらった。

「オーディションの最後の方で、初めてナギニ役だと知った」

ーーあなたはもともと『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンだったそうですね。

クラウディア・キム:原作は出版されたらすぐに読んでいました。当時は韓国語の翻訳版が手に入らなかったので、出張でアメリカに行く友達や父親に、買ってきてほしいとお願いしていたぐらいなんです。1作目から本当に信じられない世界観で、そこからファンになりました。映画版も全て素晴らしかったですが、私は物語がより複雑になっていく後半が好きでした。やはり本作の監督でもあるデヴィッド・イェーツが層をより深くしていったように感じます。一番のお気に入りはシリーズ最後の作品である『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』ですね。そこで私(ナギニ)が死ぬので(笑)。

ーーナギニは『ハリー・ポッター』でも重要なキャラクターでした。今回出演が決まったのはいつ頃だったんですか?

クラウディア・キム:前作の公開後でした。『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は本当に大好きで、5回くらい観たんです。その後に「このオーディションを受けないか?」とお話をいただきました。『ファンタスティック・ビースト』の最新作だということは分かっていたので、「絶対にやりたい!」と思っていましたが、当時はどういう役かは分かりませんでした。オーディションの最後の方で、初めて私が演じるのがナギニだと知ったんです。

ーーナギニ役だとは知らずにオーディションを受けていたんですね。

クラウディア・キム:ロンドンでのオーディションの際に、デヴィッドに「ちなみに、君の役はナギニだよ」と言われて初めて知ったんです。それから少し時間をもらって、クリーデンス役のエズラ(・ミラー)とセリフ合わせをしながら、「じゃあそこに2%蛇を足してみせて」「今度は5%足してみて」というような指示をもらいつつ、ついには「“変身”をやってみて」とデヴィッドに言われました。オーディション用の台本には「変身」と書かれていたものの、脚本全体は読んでいなかったので、どういう意味なのかが分からなかったんです。そんな中で、デヴィッドが「人間が蛇に変身していくさまを想像してごらん?」と。今までで一番面白いオーディションでしたね。

ーー自分がナギニを演じると知った時はどういう感情でしたか?

クラウディア・キム:考える時間もなく、ただ「What!?」という感じで、すぐにヴォルデモートのことが頭に浮かびました。その時にもらった数枚の台本からでは彼女の詳細は分かりませんでしたが、なにより役柄が普通の人間のようだったので、彼女には深い物語があるということだけは分かりました。だた、その時にはもう自分を信じるしかなかったので、自分の背骨がバキバキと音をたてながら蛇に変身していく姿を想像して、とにかく蛇になることを考えました。

ーー実際にナギニを演じるにあたって意識したことは?

クラウディア・キム:『ハリー・ポッター』シリーズでのナギニのシーンも可能な限り観ましたし、リサーチもたくさんしました。でも最終的には、『ハリー・ポッター』シリーズでのナギニは蛇でしかなかったので、彼女の魂はそこにはなかったんじゃないかなと。なので、『ハリー・ポッター』シリーズでのナギニのイメージからは少し離れて、今回はクリーデンスとの関係性に集中しました。

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