野村周平の器用さは、現場を“楽しむ”姿勢から生まれる ムードーメーカーとしても愛される魅力

『ビブリア古書堂の事件手帖』(c)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

 野村の強みは常に“自然”でいられることだ。今年の作品に限ってみても、放送作家・鈴木おさむが初メガホンを取ったラブコメディ『ラブ×ドック』でアラフォーのヒロイン(吉田羊)との恋を予感させるキュートな年下男子を、奥田英朗の小説を映画化した『純平、考え直せ』で鉄砲玉になることを命じられたチンピラの主人公を、『ビブリア古書堂の事件手帖』でヒロイン(黒木華)とともに、古書にまつわる謎に迫る優しい青年を、いずれも本当に“自然”に見せる。

 いずれも主演のドラマ『電影少女〜VIDEO GIRL AI 2018〜』(テレビ東京系)『結婚相手は抽選で』についても同様である。

 最近の俳優としては珍しく、SNSでの発信やバラエティ番組などでの言動から、ヤンチャな印象がついている野村だが、作品だけを見ると、どんな役も自身と一体化させてしまう器用さを持ち合わせていることがよくわかる。

 また、野村と共演した俳優の話を聞くと、しばしば野村が「ムードメーカー」として現場を明るくしていたというエピソードが聞かれる。これについて、野村自身は「自分が楽しいと思える現場にしたいだけ。楽しい現場じゃないと通いたくなくなるから」と答えている。

 このことにより、野村は常に作品の現場を、自身の“ホーム”に変える力があるのだと分かる。だからこそ、チンピラだろうと、潔癖症のオタク系青年だろうと、自然と役に入っていけるのではないだろうか。

 そこには人目を気にせず、好きなことをして私生活を楽しむという野村のプライベートでのスタンスも影響しているはずだ。このご時世、目立つ言動にはリスクも伴いがちだが、これからも野村には自由に役を自然に渡っていって欲しい。『結婚相手は抽選で』も後半に入った。自分の殻を破り始めた龍彦の変化を、野村なら自然に、器用に演じてみせるはずだ。公私ともに“楽しむ”姿勢を貫きながら。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■公開情報
『ビブリア古書堂の事件手帖』
11月1日(木)、全国ロードショー
出演:黒木華、野村周平、成田凌、夏帆、東出昌大
原作:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
監督:三島有紀子
脚本:渡部亮平、松井香奈
主題歌:サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
配給:20世紀フォックス映画、KADOKAWA
(c)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
公式サイト:biblia-movie.jp

■放送情報
『結婚相手は抽選で』
東海テレビ・フジテレビ系にて、毎週土曜日23:40~24:35放送(全8話予定)
企画:横田誠(東海テレビ)
企画・プロデュース:栗原美和子(共同テレビ)
原作:垣谷美雨『結婚相手は抽選で』(双葉文庫)
演出:石川淳一
出演:野村周平、高梨臨、大谷亮平、佐津川愛美、若村麻由美、平山祐介、大西礼芳、松本享恭、加藤雅人、山口美也子、富田恵子
制作著作:共同テレビ
制作:東海テレビ
(c)東海テレビ
公式サイト:http://tokai-tv.com/chusenmiai/

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