戸田恵梨香が貫いた緋山美帆子の“愛情深さ” 『劇場版コード・ブルー』で見つけた進むべき道

 山下智久主演の人気ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)が劇場版となって帰ってきた。『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(以下、『劇場版コード・ブルー』)は、2017年7月期に放送された『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』の3カ月後の物語である。ドラマを受けて、続編のようなポジションで製作されたこの映画では、ドラマで描かれてきた登場人物たちの魅力を残したまま、それぞれが新たなキャリアや、自分の人生との向き合い方、さらには家族との向き合い方についてどう乗り越えていくかが鮮明に描かれている。3rdシーズンまでで築いてきたキャラクターの背景は劇場版でさらに魅力を増し、それぞれの人生でスクリーンを彩る。中でもひときわ特別な魅力を放ったのは、緋山美帆子を演じる戸田恵梨香であった。

 戸田は、2006年6月公開の『デスノート』でスクリーンデビュー。山下と初共演した『野ブタ。をプロデュース』(2005年、日本テレビ系)では学園のマドンナ的な役を演じ、一気に知名度を上げた。山下とはその後、『SUMMER NUDE』(2013年、フジテレビ系)でも共演している。戸田はシリーズ化されているドラマへの出演が多く、実力は折り紙つき。『コード・ブルー 』シリーズでも1stシーズンから3rdシーズン、さらには映画までしっかり緋山美帆子と向き合い続けた。同ドラマのキャスト陣は1stシーズンから映画までで10年の付き合いとなる。その間、それぞれが別のドラマでの共演などを経て『劇場版コード・ブルー』でまたその絆を深めている。

 『劇場版コード・ブルー』で緋山は、自身の恋人であり事故による障害を持つ緒方博嗣(丸山智己)との関係に思い悩む。悩みはそれだけではなく、自身のキャリアやフェローの指導について、ひいては藍沢の事故など、考えなければいけないことが多く、その一つひとつの小さなモヤモヤを、強気で不器用な態度ながらも一生懸命乗り越えていくのであった。緋山を演じた戸田の器用なところは、言葉でどれだけきついことを言っていても、表情から手に取るように心の動きがわかるところである。

※次ページ以降、一部ネタバレ要素を含みます

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