TEAM NACS 音尾琢真、存在感急上昇！　日曜劇場や白石和彌・原田眞人作品に求められる理由

　それだけではない。大泉洋主演の『駆込み女と駆出し男』に出演して以来、『関ヶ原』、そして8月公開の『検察側の罪人』と、原田眞人組にとっても音尾は欠かせない俳優となったのだ。

　しかし、なぜ音尾はここまで作家たちに求められる俳優なのか。それは、骨太で重々しい人間を説得力を持って演じられる俳優が、この世代では希薄であるからではないか。だからこそ、日曜劇場も、白石和彌も原田眞人もどうしたって彼を呼ぶほかに手立てがない。たたずまいは静かだが、凄みがにじみ出ている警視庁の刑事や、自慢の“真珠”をえぐり取られるヤクザを演じられる人を探そうとしても、音尾意外には思い浮かばないのである。

　ピエール滝がこうした映画で引っ張りだこなように、音尾もそういう存在になっていくのではないか。もっとも、かつての作品では、実直に生きる父親なども演じている。さまざまな顔をこれからも見せてくれるだろう。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
日曜劇場『ブラックペアン』
TBS系にて、毎週日曜 21:00～21:54放送
原作：海堂尊『新装版 ブラックペアン1988』（講談社文庫）
脚本：丑尾健太郎
プロデューサー：伊與田英徳、川嶋龍太郎、峠田浩
演出：福澤克雄、田中健太、渡瀬暁彦
出演：二宮和也、竹内涼真、葵わかな、倍賞美津子、加藤綾子、加藤浩次、市川猿之助、小泉孝太郎、内野聖陽
製作著作：TBS
(c)TBS
公式サイト：http://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/