ユースケ・サンタマリアが物語をかき乱す! 『あなたには帰る家がある』太郎役の存在感

 毎週金曜22時より放送中のTBS金曜ドラマ『あなたには帰る家がある』でのユースケ・サンタマリアの演技が話題になっている。“夫婦あるある”が無数に散りばめられている本作の物語には、共感の声が多く上がる一方で、不倫パートについては悲鳴の声も続出。毎週、やっと夫婦が揃う時間が持てる週末を前に、家庭を冷や冷やとさせるブラック・コメディだ。

 本作でユースケが演じている茄子田太郎は、中学教諭で妻の綾子(木村多江)と息子の慎吾(萩原利久)、そして自身の両親とともに暮らす。一家の主として、「家族は俺が養っている」と横柄な態度をとり、仕事上での取引相手である真弓(中谷美紀)や、購入を勧められている住宅の担当者である秀明(玉木宏)をも刺激する。

 さまざまな番組の司会者としても馴染み深いユースケだが、キャリアのスタートは歌手デビューだった。今では、役者業もこなす日本を代表するマルチタレントの1人だ。ユースケにとって『踊る大捜査線』シリーズへの出演が大抜擢だったと語る完熟ライターの麦倉正樹氏は、俳優としてのユースケの演技の特徴について、次のように考察する。

「もともとは、ラテン・ロックバンド“BINGO BONGO”のボーカル&MCとして世に登場したユースケさんですが、『踊る大捜査線』シリーズのレギュラーキャストに大抜擢されたことをきっかけに、俳優としての活動も本格化させていきます。当時から、バラエティ番組などでは、“とにかく適当なことを言い続ける人”という印象の強かった彼が、『踊る大捜査線』シリーズで演じたのは、東大卒のキャリア組でありながら、どこかパッとしない、パソコンだけが取り柄の“真下正義”というキャラクター。のちに彼を主役としたスピンオフ映画『交渉人 真下正義』が作られるなど、それまでの本人のイメージとはまったく異なるこの役を好演し、人気を博したことが、ユースケさんの役者としての評価に繋がったのではないしょうか」

 その後、数々のドラマや映画などで、“冴えないけれど、どこか憎めない中年男”の役を好演し続けてきたユースケ。しかし近年、その役どころに、大きな変化があったと麦倉氏は言う。

「2011年に放送された上戸彩主演のドラマ『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~Season2』(フジテレビ系)に、“ラスボス”役として登場したあたりからでしょうか。昔から“どんなに面白いことを言っても、目が笑ってない”とは言われていましたが、その特性を活かして、単なる“冴えない中年男”ではなく、“冷徹で無表情なサイコパス”役を数多く演じるようになったのです。最近の作品で言えば、『火の粉』(東海テレビ・フジテレビ系)、『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』(WOWOWプライム)などがそうですね。いずれも非常に恐ろしい、実に凶悪な役どころでした……」

 また、『あなたには帰る家がある』でユースケが演じている役柄について、ライターの佐藤結衣氏は次のように考察する。

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