>  > 仲里依紗、なぜ“怖い女”役がハマる? 『黒革の手帖』『あなそれ』で見せたミステリアスさ

仲里依紗、なぜ“怖い女”役がハマる? 『黒革の手帖』『あなそれ』で見せたミステリアスさ

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 今、最も“怖い女”の役がハマる女優と言えば、仲里依紗。先日最終回を迎えた『黒革の手帖』では、主演の武井咲のライバルとして、普通の女の子から金の亡者に豹変する、見ていて本当に腹が立つほどの攻撃的な悪女を演じた。また4月期に放送された『あなたのことはそれほど』では、ホラー映画のようにジワジワと浮気した夫を追いつめて行く恐怖の妻を演じて話題となった。静と動、両方の悪女を演じ分けられる。いったいなぜ、仲里依紗は悪女役ができるのだろうか。

 最近は名バイプレイヤーとして安定感のある演技を見せているが、かつては等身大で明るいイメージの役で主演も演じることが多かった仲。主演を演じた『純喫茶磯辺』ではダメおやじを叱りながらも暖かく見守る高校生の娘、声優を務めた劇場アニメ『時をかける少女』の真琴役や、2010年版『時をかける少女』の芳山あかり役などの前向きな純真さは、今で言う広瀬すずのキャラに近いかもしれない。

 そんな純真さを見せる一方、そのギャップで見せる若くしてミステリアスなセクシーさも彼女の魅力。『ハチワンダイバー』での出張メイドもする謎の女性棋士役では、可愛さとスタイルの良さを極限に際立たせる胸の開いたメイド服姿で視聴者を釘付けにした。女優として一目置かれたのが『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』でのゼブラクイーン役だろう。セクシーな黒のボンデージファッションを身に纏い、レディー・ガガのように歌い踊りまくる圧巻のパフォーマンス、そして世界の女王になるべく全てを黒と悪に染める狂気の演技。元々演技はうまいと評判であったが、若手女優の枠を超えた怪演ぶりは『黒革の手帖』の悪女演技の原点とも言え、悪の華が似合う新たな仲が誕生した瞬間でもあった。

 年齢を重ね、陽から陰へと進化し、それが見事にハマったのが『あなたのことはそれほど』の有島麗華役である。浮気される妻の役だが、浮気に気づいてるようなセリフを連発し、夫が勝手に自白していく精神的追いつめ方が怖かった。

 ゼブラクイーン彷彿とさせる高飛車な悪女演技が爆発したのが『黒革の手帖』の山田波子役だ。銀座にクラブ「カルネ」をオープンした原口元子(武井咲)の派遣社員時代の同僚で、借金苦で元子に拾われ一気に人気ホステスになるが、銀座のルールを無視し成り上がって行く波子は元子に制裁を受け、復讐心を持つライバル関係となっていく。

 『あなそれ』の静かにじわじわと追いつめて行くのとは逆に、とにかく気性が激しく感情的に動く、いかにも悪役らしい悪女を演じている。ポイントとしては、最初は回転寿司の高い皿でも大喜びをするような純朴な女の子から、ホステスの世界に入ってから「ママありがとう。お金稼ぐのこんなに簡単だったんだね。」と金の亡者になり急に悪女に変貌する。その演技のギャップが凄まじい。

 だが、このドラマの一番面白いところは、主演の武井を軸に悪女合戦が行われていることだ。テレビ朝日サイトのインタビューで仲里依紗は、「武井さんは私よりも年下なのに、すごく大人っぽい印象! それに対峙する波子という役をどう演じればもっと元子が引き立つかな、と考えながら撮影しています」と語っている。最終回で権利書を奪い返され全てを失った波子は、派遣社員だった頃の回転寿しの話を持ち出し「どこで道間違えちゃんだろ?」と同情を引く言葉を発する。だが、「忘れた、そんな昔の話」と元子に一蹴りされ、悪女の格の違いを見せつけられてしまう。

 仲が悪女役にハマるのは、今まで様々な役で培ってきた確かな演技力に尽きる。顔の強ばった時と、緩んだ時の笑顔を使い分ける演技。そして深読みしてしまうミステリアスさ。いつかキレそうな糸がピンとはったような緊張感から、目を離せない。

(文=本 手)

■放送情報
『黒革の手帖』
テレビ朝日系にて 毎週木曜21:00~
出演:武井咲、江口洋介、仲里依紗、滝藤賢一、和田正人、内藤理沙、高嶋政伸、真矢ミキ、高畑淳子、奥田瑛二、伊東四朗ほか
原作:松本清張『黒革の手帖』(新潮文庫刊)
脚本:羽原大介
監督:本橋圭太、片山修
ゼネラルプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/kurokawanotecho/

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