「この国の、未来のために」小栗旬ら特捜班が進む道とは? 『CRISIS』の意味から紐解く

 余談だが、岸部首相が左鎖骨骨折の重傷を負った理由が“自宅で転倒”と報道されていたように、今回の事件もまた、“嘘”の情報が世間に知れ渡っていくのだろう。そうやって隠蔽され、闇に葬られた“真実”が、同ドラマでは何回もピックアップされてきた。それはまるで、何が真実で何が偽りなのか、ネットの情報やマスコミに踊らされるのではなく、自身の目で見て調べ、考えろと我々視聴者に警鐘を鳴らしているようである。

 “CRISIS”とは、危機という意味のほかに、苦境、決定的段階、重大局面、(運命の)分かれ目、不虞(予想外)、そして“境目”などの意味がある。(“境目”という言葉は英語で“BORDER”とも表される。同ドラマの原案・脚本を務めた金城一紀×小栗旬が主演を務めるドラマ『BORDER』(テレビ朝日系)との関係性を感じずにはいられない。)彼らにとって結城の事件は“転機”となったに違いない。

 これまで様々な“危機”に直面してきた特捜班。“不虞”の結末を目の当たりにし、“苦境”に陥ってきた。そんな彼らにとって、今回の事件が“CRISIS(運命の分かれ目)”になったことは間違いないだろう。「この国の、未来のために」“重大局面”に立たされた彼らは、果たしてどう転がっていくのだろうか。

(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』
関西テレビ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
原案・脚本:金城一紀
出演:小栗旬、西島秀俊、田中哲司、野間口徹、新木優子、石田ゆり子、飯田基祐、眞島秀和、野崎萌香、長塚京三
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
演出:鈴木浩介、白木啓一郎(カンテレ)
チーフプロデューサー:笠置高弘(カンテレ)
プロデューサー:萩原崇(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:www.ktv.jp/crisis/

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