ドラマ『東京タラレバ娘』は音楽も秀逸! 作曲家・菅野祐悟が手掛ける、表情豊かな劇伴の裏側

 本作はラブコメということもあって、キャラクターの喜怒哀楽やシーンの移り変わりがとても早い。音楽もそれに合わせて、ロックなギターサウンドからオーケストラ演奏、民族調からオペラ風の歌唱と、ジャンルレスにテンポ良く切り替わっていく。しかも、それぞれの曲が登場人物や場面の雰囲気に絶妙にマッチしているものだから、見ている側はさらにどっぷりと作品の世界観にのめり込んでしまうのだ。

 表情豊かな音楽の中でも、シリアスなシーンで流れるピアノの切ない旋律には、とりわけ心を持っていかれてしまう。菅野が手掛ける音楽は「叙情的」と評されることも多いが、本作でも、それまでのコメディタッチを忘れさせるような、エモさ満点のサウンドが織り込まれている。菅野ファンであればきっと、「そうそう、これこれ」となるのではないだろうか。

 『タラレバ娘』では、そうしたある種「菅野らしい」ともいえる楽曲を堪能できるほか、彼の圧倒的な引き出しの多さにも触れることができる。今後のストーリー展開はもちろん、劇伴も引き続き新曲が投下されていくのか、とても楽しみだ。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。
Twitter:https://twitter.com/manyotaso

■番組情報
『東京タラレバ娘』
毎週水曜日よる10時00分〜
製作著作:日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/tarareba/index.html

関連記事