矢口史靖監督と葵わかな『サバイバルファミリー』舞台裏を語る 葵「本物の豚が怖かった」

 1月29日、都内某所にて映画『サバイバルファミリー』のトークイベントが開催され、監督を務めた矢口史靖氏、主人一家の娘・鈴木結衣役を演じた葵わかなが登場。映画の舞台裏を明かした。

 同作は、映画『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』を代表作に持つ映画監督・矢口史靖氏の最新作。ある日突然電気がなくなり、エネルギーにまつわるあらゆるものが使えなくなった日本において、平凡な一家4人家族が東京を脱出し、一路西へと向かうなかで起こる数々の出来事を描いた一作だ。

 映画『ウォーターボーイズ』で伊丹弥生役を演じた秋定里穂が進行役として登場すると、「当時、撮影現場で矢口さんが詳細の絵コンテを見せてくれた」と話し、その後にステージへ上がった矢口氏は「15年ぶり? 大きくなったな(笑)。映画が完成して試写会で号泣してて、『よっぽど映画を観て感動したんだな』と思った」と話すと、秋定は「大学受験の最中に撮影して、合格した日に試写を見たので……」と様々な感情が溢れたことを告白した。

 その後、矢口氏は「『ウォーターボーイズ』を撮り終わったころから考えていた。自分がアナログ人間だからパソコンが普及しだした時代に『全部止まってしまえ』と思っていた」と構想について語り、続けて「高速道路を自転車で走るシーンをCGや合成を使わずに表現したかった」ために完成までの時間が掛かったとコメント。葵わかなについては「オーディションでは人となりを重視した」と語り、それに対して秋定は、『ウォーターボーイズ』のオーディションを振り返り、「セリフの読み上げもしたんですけど、『弓道部です』と言って弓道の型もやったりしました……」と、監督ならではのやり方を明かした。

 また、作品内では生きている豚を捕まえるシーンもあるそうで、葵は「本物の豚なんて見たことなかったし、どんな行動をするかわからず怖かったです」と語り、“一番辛かった場面”については「イカダで川を渡るシーン。夏のシーンなんですけど、撮影したのが11月末で。冷たかったんですけど『やるしかない』と腹を括って入りました。辛かったけど、今思えば楽しい現場でした」と述べ、会場が笑いに包まれた。

 セッション途中では、矢口作品に必ず登場する役名「伊丹弥生」についても解説。矢口氏いわく、「伊丹弥生」は実在する人名であり「『PFF(ぴあフィルムフェスティバル)』に出展するための自主制作映画を作っていた際に、協力してくれた知人にお礼をしたいと持ちかけると『矢口くんが有名になったら嬉しいから、作品にかならず私の名前を出して欲しい』と言われたのでそうしている」そうだ。

 セッションの最後には、葵が「撮影時は素晴らしい方々とご一緒できたのに、自分の役に向き合うので一生懸命だった。振り返ったら毎日濃度がすごくて充実していて……」と振り返ると、矢口氏は「これから先、テレビも映画もたくさん経験すると思うんですけど、これ以上辛いことはないし、楽しいと思うことばかりだと思うので自信を持ってください(笑)」と笑い、トークセッションが終了した。

 また、イベント後半ではSHANTIによる主題歌「Hard Times Come Again No More」の歌唱も行われた。こちらの模様はリアルサウンドのレポートに掲載されている。

 SHANTIの歌唱後、イベントの最後には『ロボジー』に出演し、『サバイバルファミリー』にも水泥棒役で登場している川島潤哉も応援に駆けつけるなど、終始賑やかにイベントは行なわれた。映画『サバイバルファミリー』は2月11日より、全国映画館にて公開される予定だ。

■公開情報
『サバイバルファミリー』
2月11日より全国映画館にて上映
原案・脚本・監督:矢口史靖
<出演>
小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな
配給:東宝
(C)2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ
公式サイト:survivalfamily.jp

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