『ラブライブ!』『アイマス』『アイカツ!』劇場版の方向性はどう異なるのか?

 そういやアイドルアニメの三巨頭の最後の一角である『アイカツ!』も、方向性という話ではまた全然違うスタイルの劇場版をやっております。こちらはざっくり言うと女児向けカードゲームが収益の柱になっている作品なので、前売り券がカードとして使えるみたいな特典商法をうまくやっています。となると『ラブライブ!』に近いのかなと思いきや、カード自体にコレクション性があるわゲームで利用できたりするわで、けっこう即物的。女児向けアニメのほうがイベント性よりも物欲重視というのはわりと面白いところです。ちなみに「アイカツおじさん」なる成人男性のファンが買い漁っているという噂もありますが、制作元としては女児向けであるという姿勢を頑なに貫いていますので、あまり突っ込まないであげるのがたしなみというものです。

 そんなわけで一口にアイドルアニメの劇場版といっても、いろんなパターンで作られているのがわかります。考えてみれば前述の『アイカツ!』なんかは公開時期を考えると実は前述の『ラブライブ!』『アイマス』と競合しているんでが、それぞれに棲み分けているので、現実のアイドルのようにファンの奪い合いになったりすることも少ないものと思われます。要するにそれぞれがっちりと固定ファン層をつかんでいるわけですね。まあ、だからこそ、洋画ブームの昨今でもアイドルアニメが邦画として頭一つ抜きん出ることができたりしてるんだなあというところであります。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』『一〇年代文化論』『僕たちとアイドルの時代』がある。Twitter

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