【試し読み】イカサマギャンブラーは剣と魔法の世界でも無敵? 心理戦がスリリングな異世界ファンタジー『厄病神の覇道戦略』

 ウェブトゥーン作品『厄病神の覇道戦略(エンペラーロード)』の連載が、8月15日より電子コミックサービス「LINEマンガ」でスタートした。

 同作は前世で「厄病神」と呼ばれた凄腕のイカサマギャンブラーと、「氷血の斬首伯」と呼ばれる最強剣士の活躍を描いた異世界ファンタジー作品だ。本稿では、その魅力と見どころについて紹介していきたい。

 物語のはじまりの舞台となるのは、世界の辺境に位置するのどかな田舎町。主人公のアルファは領主であるシグマ・レオニアス辺境伯に“厩(うまや)役の召使い”として仕えていたが、とある出来事をきっかけに特異な才能を認められ、重用されていく。

 実はアルファは異世界へと転生してきた元現代人。前世では闇カジノで「厄病神」と恐れられていたほどの凄腕ギャンブラーだったという。知略や心理戦、イカサマの技術に長けているようで、作中ではさまざまな相手にギャンブルを仕掛け、勝利を収めていくのだった。

 また、同作においてもう1人の主人公となるのが領主のシグマだ。皇国屈指の剣士として知られる人物で、先の戦争で見せた活躍から「氷血の斬首伯」という二つ名を持つ。だが領地の運営は部下に任せきりで、“根っからの剣術バカ”とも評されている。

 そんな最強の剣士と無敵のギャンブラーが手を組み、黒い思惑が渦巻く貴族国家のなかで成り上がっていく……というのが、同作の基本的なストーリーだ。

 物語のカギとなるのは、アルファが転生したときに持っていた「皇国興亡史」という書物。これは皇国の歴史をまとめた文献なのだが、3年後に隣国に侵略されて消滅するという未来までもが記されている。そしてシグマが政治的な策謀によって死亡することも、この本のなかに記録されているのだった。悲劇的な結末を知ったアルファは、持ち前の才覚を武器として未来を変えようとする。

 そんな同作の魅力としては、やはりギャンブル描写の面白さが挙げられるだろう。たとえば序盤で描かれるのは、レオニアス領の乗っ取りを企むシグマの叔父、ミドとの対決。

 アルファは自らがディーラーとなり、5つの箱から銅貨が入っていない「外れ」を2回連続で引けば敗北……というゲームをミドに持ちかける。純粋な確率で言えば、ミド側は「九割六分」勝利できるルールだ。しかしアルファは巧妙なトリックや大胆不敵な賭けによって、ミドに外れを引かせ続ける。

 このように同作は異世界ファンタジーでありながら、武力の衝突というより、スリリングな心理戦によって物語が進んでいく。ファンタジー好きだけでなく、ギャンブルマンガが好きな層にも“刺さる”作品と言えるのではないだろうか。

 ただし、異世界ファンタジーならではの“ゲーム的な要素”も用意されている。ミドとの対決直前、アルファの目の前には突如として「ベットチップシステム」というディスプレイが出現。そこには「金銭賃借契約を破棄せよ」というギャンブルミッションが表示されており、身体の一部を賭けて勝負に挑むことになる。

 見事勝利を収めた後には、チップを獲得。そしてチップと引き換えに、さまざまなスキルやアイテム、魔法を習得できることを知るのだった。

 アルファはギャンブルに勝利するごとに不思議な力を手に入れ、その力を駆使して次のミッションに挑むことになる。つまりゲームのレベルアップ的なシステムとなっているのだ。

 また、登場人物たちの生き生きとした活躍も同作の注目ポイントだ。たとえばアルファが魅力的なのは、ギャンブラーでありながら「金がすべて」という守銭奴ではなく、根っこのところが善人であること。物語の冒頭ではディーラーとして賭け事を取り仕切りつつも、破滅しそうな老人を助けるために“当たり”を操作するという小粋な振る舞いを見せていた。

 さらに第5話からは中央神殿の修道女(シスター)・シータというヒロインも登場。彼女は100年に1人しか誕生しない“聖女”候補者であり、運命に翻弄されながらも力強く生き抜いていく姿は魅力に満ちている。シータとアルファとの軽快な掛け合いも、1つの見どころだ。

 アルファとシグマの2人は、いかにして“救国の英雄”となっていくのか。壮大なファンタジー世界で繰り広げられる剣と魔法とギャンブルの物語を、ぜひ見届けてほしい。

■作品情報
『厄病神の覇道戦略』
原作:武藤射手座
キャラクターデザイン/構成:軍鶏左衛門
線画:シブリンガル
制作:Whomor
©︎Iteza Takefuji・Shamozaemon・Shiburingaru・whomor/LINE Digital Frontier
作品URL:https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0004365

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