THE RAMPAGE 長谷川慎×龍が語る、“カッコいい”の共通理解「ダンスと音楽とカルチャーは全部つながっているもの」
THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの長谷川慎と龍が、2人でタッグを組んだカルチャースタイルブック『DANCE EAT RAVE REPEAT』(幻冬舎)を8月28日に刊行した。プライベートでも共に旅行へ行くほど親交の深い彼らが、「自分たちの感覚で“カッコいい”と思うものを形として残したい」という溢れ出る熱量から作り上げた一冊だ。
ロンドンやアイスランドといった海外への“大旅”で現地のリアルな音楽やクラブカルチャーに触れたエピソードから、写真のセレクト、レイアウト、色使いに至るまでこだわり抜いた制作の裏側まで。これまでインプットしてきたものを「すべて出し切った」と語る本作に込めた並々ならぬ思いと、2人のクリエイティビティの源泉に迫った。
2人の熱量が同じタイミングであふれ出した
──まずは、長谷川慎さんと龍さんのお二人でカルチャースタイルブックを作ることになった経緯から教えてください。
長谷川 僕ら2人はプライベートでもすごく仲が良くて、一緒に旅行に行くこともあるくらいなんです。そうやって一緒に過ごす時間の中で、僕らが日頃から吸収しているものや、僕らの感覚で「カッコいい」と思うものを、この世の中に形として残したいと思うようになりました。「残さなきゃいけない」と使命感で思ったというより、お互いの気持ちが振り切れて「残したい!」という感覚になった、という感じです。2人の熱量が同じタイミングであふれ出した瞬間だったんです。
──出さずにはいられなかったんですね。
長谷川 はい。それに、本を出すってすごいことじゃないですか。
──確かに、誰でも出せるわけではないですよね。
長谷川 だからこそ、アーティストとして活動させてもらっていて、出版までさせてもらえる環境にいるのなら、今の自分たちを残しておこうという気持ちになりました。
龍 僕らは2人とも、本から情報を得て育ってきたんですよね。だから本というものへの信頼や思い入れが人一倍強い。デジタルが主流で、形あるものを作らなくてもいい時代だからこそ、僕らはあえて物として残すことに意味があると思っているんです。
──ということは、本作を作る上でも、アートブックや写真集など、様々なものを参考に?
龍 はい、リファレンスは山ほど集めました。お互いに10冊くらいずつ本を持ち寄って、「こういう質感がいいよね」なんて言いながら。
長谷川 本だけじゃなくて、インスタなどのSNSで見て「カッコいい」と思った色使いなども日頃からストックしていて、それを今回一気に放出した感じですね。
──「GL-16 ~THE RAMPAGE BOOKS~」というプロジェクトで、長谷川さんはファッションスタイルブック「melt」を発売したり、長谷川さん龍さんを含む“98年組”でフォトブック「1998」(『WE R』収載)を発売したりと、感性を生かした書籍を去年出したばかりのお二人なので「まだ出すものがこんなにあるんだ!?」と驚きました。
龍 さすがにもうないです(笑)。
長谷川 自分たちでも「こんなにやりたいことが眠っていたんだ」「日頃からこんなにいろんなことを感じていたんだ」と気づかされました。今まで貯めていたものを、今回すべて出し切った感じです。出来上がったものを見て、「この27~28年間で積み上げてきたものがちゃんとあったからこそ、こうして表現できたんだな」と思いました。
モノの捉え方が似ているから仲良くなった
──そもそもお二人がここまで仲良くなったのは何がきっかけなのでしょうか?
龍 何だろう。急に仲良くなった気がするんですけど……。僕は音楽が好きで、まこっちゃんはファッションが好き。だけど、ただ曲が好きとか、洋服や生地が好きということではなくて、ファッションや音楽が、カルチャーと密接につながっているということを理解している2人なんですよね。そういうモノの捉え方が似ているから仲良くなったんだと思うし、いろんなもののインプットの仕方が似ているから一緒にいても楽なんです。
──「急に仲良くなった」とのことですが、いつ頃ですか?
龍 最初はそんなに仲良くなかったよね。
長谷川 うん。お互いにEXPGに通っていたから、もちろん小学生、中学生の頃から知っていたし、15~16歳でTHE RAMPAGEに入ってからも普通に仲良かったけど、ここ数年でお互いに何かに気づいてカチッとハマる瞬間があったんです。何がきっかけなのかは分かりづらいんですけど。カッコいいものに対して「やっぱりこうだよね」って共感し合った瞬間がありました。
──お二人は旅行にもよく行かれているとのことでしたが、この書籍の企画が立ち上がる前から、お二人で旅行に行くことはあったんですか?
龍 はい。熱海とか大室山とか、国内が多かったですけど。こんな"大旅"と呼べるような旅行は今回が初めて。今回はロンドンとアイスランドに行ったんですが、それ以降も結構いいペースで一緒に旅行してるよね。
長谷川 うん、6月にはパリにも行きました。ちょうど締切に間に合ったので、パリで撮った写真も「DANCE EAT RAVE REPEAT」に滑り込ませています(笑)。
──旅の話が出たところで。今回のロンドンとアイスランドの旅では、クラブにも行かれていたそうですが、過ごし方はどのように決めていたのでしょうか?
龍 ロンドンは目当てのDJがいたり、カッコいいフライヤーに惹かれたりというところでいくことを決めつつ、あとは流れで。「今日は疲れたから行くのやめよう」とか。そんな感じでした。ロンドンのときはローカルな場所に行きたいよねという話でサウスのほうに行きました。
──ローカルな地区では何か面白い出会いなどはありましたか?
龍 まぁ普通に怖いですよね(笑)。でも馴染めました。
長谷川 ロンドンのちょっとローカルなクラブで衝撃的だったのは、みんながOasisを大合唱していたこと。僕はそれまでOasisのことを、ヴィンテージのTシャツで知っている程度で、曲もギリギリ有名な曲を知っているくらいでした。だけどロンドンで現地の人たちが大合唱しているのを見て「うわ、やべえ!」と思ったんです。クラブに限らず、どのバーに行ってもみんながOasisを弾き語りしていて。自分の国のアーティストをそこまで根強く応援していたり、Oasisが生活の一部になっていたりする姿を目の当たりにしたときに「すごくいいな」と思って、僕自身もOasisが好きになりました。今でもOasisを聴くと、あのときの光景や匂いが蘇ります。
──日本のクラブとの違いを、お二人はどのように感じましたか?
龍 シンプルにノリが良いというのもあるけど、そもそもクラブとか“箱”に対するイメージが全然違うんだなと思いました。海外のクラブは、一張羅をきて友達とパーティーに行くみたいなマインドなんですよ。みんな携帯も触らず、朝まで遊んで、疲れてクローズ、みたいな。アイスランドはクラブが1つしかなかったんだよね。
長谷川 うん。あそこ、めっちゃ面白かった。
龍 アイスランド人がいるのを想像して行ったんですけど、あまり現地の人がおらずで、ロンドンみたいだったんですよ。
──2人でクラブを探して、「面白いね」とか言い合って帰ってくるわけですよね。めちゃくちゃいい旅行ですね。
龍 はい。楽しかったよね。
長谷川 うん、楽しかった。
龍 教会も良かったよね。雰囲気もなんかインダストリアル感があって。
長谷川 全部打ちっぱなしで。
龍 ずっと雨だったし、街全体が灰色で、それも相まってカッコ良かった。
2人でこの世に最高の形で残せたことがすごくうれしい
長谷川 たくさんありますけど、2人ともレイアウトにはかなりこだわりましたね。実際に作業してくれるエディターさんやデザイナーさんともめちゃくちゃ意見交換して。普通のスタイルブックにしたくなくて、いちいち凝っていました。
龍 俺がロンドンで、まこっちゃんがアイスランドって担当ページを分けたりして。
長谷川 だから2人の色がしっかり出ているし、写真も撮り下ろしているし。本当に全部にこだわっています。
──では、そのなかで「面白いな」「すごいな」と思った相手のアイデアやこだわりを教えてください。
龍 まこっちゃんの地図のページは好きですね。まこっちゃんって、こういうのが上手なんですよ。こまめに保存したりして。
長谷川 龍は雑誌から情報を仕入れているから、レイアウトや色使いが面白くて。一緒に作りながらすごく勉強になりました。しかもぶっ壊してくるんですよ。
──ぶっ壊してくる?
長谷川 デザインやレイアウトが固まってきたところで、「やっぱりこっちの方がいいかも」と言って。そのたびに「えっ変えるの!?」って、一緒に作っている僕も驚いていました。今、淡い緑とピンクになっているストーンヘンジの写真も最初は違う色味だったんですよ。
龍 優しい気持ちになったんだろうね(笑)。
──本書の制作期間や、制作するうえで新たに出会ったカルチャーや影響を受けたものがあれば教えてください。
龍 プロのエディターとしての能力には影響を受けました。常に周りにクリエイターがいるなんて環境は普段はあまりない。だけど今回は目の前で作業してくれて。全体のバランスを見たり、読み手の気持ちを考えたりする姿にすごく感化されました。
──普段は、載る側ですもんね。
龍 そうなんです。だから、すごくいい経験になりましたね。
長谷川 そういう意味では、何か具体的に影響を受けたというよりも、これを作ったことで、日頃からいろんな情報を収集しておくことが、より一層大事だと感じるようになりました。
──もともと日頃からさまざまな情報をインプットしているお二人だと思いますが、それでもさらにそう感じるようになったということですか?
長谷川 はい。今回は本当に出し切りましたし、もちろん「DANCE EAT RAVE REPEAT」自体は120点の出来だと思っています。ただ、これを作ったことで、今後自分がどういうアプローチをしていくのか、さらに楽しみになりました。
──今作のタイトルにも入っていますが、様々なカルチャーに造詣の深いお二人にとって、職業として選んでいるダンスとはどういうものでしょうか?
龍 長い間ライブがなかったりすると、踊りたくなってきます。それくらい体に染み付いているものですね。今回の制作でも、ダンスと音楽とカルチャーは全部つながっているものだという感覚がありましたし、突き詰めがいのあるものだなと、改めて思いました。
長谷川 音楽やファッション、写真といった、今の自分を形成しているもの、今の自分にとって大事なものは、全部ダンスを入り口にして得られたもの。そういう意味では、ダンスは自分の人生に必要不可欠なものですし、「DANCE」という名前が入った本を出せるというのは……なんだか不思議です。ダンスしかしてこなかったのに本を出版しているんだと思うと、不思議だし面白いなと思います。
──では最後に、本書を完成させたことはお二人にとってはどのような意味を持つのか教えてください。
龍 まずは、2人でこの世に最高の形で残せたことがすごくうれしいです。毎日を全力で生きている僕らだからこそ届けられるものを詰め込めたと思いますし、それを本という形にすることの意味も込められたと思っています。あと、物理的に飾れるようなデザインにもしたかったんです。だから皆さんがこれをモノとして受け取ってくれるのがすごく楽しみです。いろいろ詰め込んだので、楽しんでもらえたらうれしいです。
長谷川 これだけ攻めた本を出版できることが、まずすごくありがたいなと思っています。やりたい放題やらせてもらったので。将来自分がおじさんになったときにこれを見返して、「俺らカッコいいことやってたな」と思えたら、すごく素敵だなと思います。そのうえで、今は「これを超えなきゃ」という気持ちにもなっているので、これに満足することなく、いろいろな面で攻め続けていきたいです。
■書誌情報
『DANCE EAT RAVE REPEAT』特別限定版
仕様:A4変型判/並製/208頁予定
価格:¥4,400
特典:限定表紙、60分ドキュメンタリームービー(アクセスQRコード収録)、DERRオリジナルトレカ2枚セット
『DANCE EAT RAVE REPEAT』通常版
仕様:A4変型判/並製/208頁予定
価格:¥3,630