小原晩、初の小説集『風を飼う方法』刊行
小原晩による初の小説『風を飼う方法』(河出書房新社)が3月4日(水)に発売された。
人は皆、どこかで途方に暮れる。しかし生活は前へ前へと進んでしまう。ゆきは働きはじめ、私は水浴びする男を見つめ、雨の夜に三人は出会い、百子は絶望を抱えたまま暮らしている。吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。全4篇が映し出す、人生のもの憂さと微光ーー。
『風を飼う方法』は、これまで文芸誌に発表した短篇3作、新たに書き下ろした掌編1作を収録した、小原初の小説集。グラフィックデザイナー/映像ディレクターの岡本太玖斗が装幀、造本を担当している。
『風を飼う方法』収録作品
「けだるいわあ」
唐揚げ弁当ひとつくださいと口に出す。真っ赤なエプロンの女のひとは「はあい」と愛想なく、しかし不機嫌そうでもなく、どちらかというとぽかんとした感じで返事をした。(初出:「スピン/spin」第6号)
「水浴び」
ルーフバルコニーではおじさんが水浴びをしていた。パンツ一丁の姿で、青いホースから水をどんどんあふれさせ、頭の上からきもちよさそうに水を浴びている。(初出:「新潮」2025年2月号)
「カリフラワー」
あの夜は小雨で、傘をささなくてもよいほどの小雨で、というより雨は、わたしが家を出たときにはまだ雨は降っていなかった。気配はあったが、気にしなかった。(書き下ろし)
「風を飼う方法」
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。(初出:「文藝」2025年秋季号/「今日はユーカリ食べちゃったから眠くて眠くて」改題)
著者紹介
小原晩(おばら・ばん)
1996年、東京生まれ。2022年、自費出版(私家版)にて『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』を刊行。大きな話題となり2024年には商業出版化。他の著書に『これが生活なのかしらん』。えびフライの尻尾は食べる派です。友人のも平気で食べます。
■書誌情報
『風を飼う方法』
著者:小原晩
価格:1,650円(税込)
発売日:2026年3月4日
出版社:河出書房新社
※記事初出時、タイトル、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます。(2026年3月6日12:36、リアルサウンド編集部)
・タイトルより「又吉直樹や佐久間宣行も絶賛の全4篇」を削除
・本文より、以下を削除
「又吉直樹、穂村弘、佐久間宣行、蓮見翔(ダウ90000)ほか各界著名人からの賞賛、全国書店員からのレコメンドを受け、ともにベストセラーとなっている。」