【漫画】14歳で5千万円稼ぐ方法といえば? 不穏さ漂う漫画表現が面白い『心霊写真密売マニュアル』

 幽霊を撮ってメイクマネー? 特殊な能力を持つ中学生たちが怪異と金の渦に巻き込まれる漫画『心霊写真密売マニュアル』の第1話が、Xで1.3万以上のいいねを集め注目を集めている。

 作者は池袋万里さん(@higan_nou)。映像系の企業で勤務した経験を持つ彼女が目指す、オリジナルな漫画表現とは。本作の着想の背景も含めて聞いた。(小池直也)

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『心霊写真密売マニュアル』(池袋万里)

――SNSで約1.3万のいいねが集まっていますが、これについていかがですか?

池袋万里(以下、池袋):連載で雑誌に載せてから時間が経っていたので、SNSでどういう反応がもらえるか予想できませんでした。色々な人に読んでもらえて嬉しかったです。

――「心霊写真を撮れる」という能力を持つ少年を主人公にした理由が気になります。

池袋:もともとは写真部に入っている男の子ふたりが、呪われたカメラを持つ物語を考えていました。でも、より多くの人に読んでもらうために編集さんと考えるなかで「お金を絡めたらどうか?」というアイデアが出たんです。

 ただお金儲けの物語にするとしたら、普通の写真だと面白くない。そこで「心霊写真を絶対に撮れる」という能力を設定しました。

――実際に心霊写真が売られていることはあるのですか?

池袋:心霊写真と言えるかはわかりませんが、以前アンティークショップで働いていたとき、古い写真が売れる現場をよく見ていました。例えばお化け屋敷が写っている写真とか、着物でおめかしした双子の女の子が写ってる写真とか。そういう珍しい写真が売れるんですよ。

 自分自身も雰囲気のある古い写真やネガを集めるのが好きなので、不気味な写真を集める人の気持ちは理解できますね。

――主人公のひとり・海野の家庭環境がユニークでしたが、これについても教えてください。

池袋:海野の家庭は、シンデレラや白雪姫みたいなイメージです。怖い継母・継父がいて、そこから脱出するという、おとぎ話みたいな感じで描いています。そういった家族問題については、ニッポン放送のラジオ番組『テレフォン人生相談』の内容を参考にしました。

 ある相談がきたら、その問題とは別の、相談者が目を逸らしている問題が出てくることがあるんですね。そういう「ややこしさ」を物語に反映させたいと思ってます。

――作画面で意識されていることがあれば教えてください。

池袋:初めての連載なので、絵柄は定まっていませんでした。もともと映像系の会社で編集として働いていたので、その影響が出ていると思います。映像と漫画の表現を混ぜたいと思っていますが、まだ探っている段階ですね。

――映像編集から漫画家への転身は珍しいです。池袋さんにとって漫画の魅力とは?

池袋:漫画を描き始めたら、映像とは全然違う表現だということに気が付きました。最初は漫画でも描いてみようくらいの気軽な気持ちだったんですけど、漫画ってこのように描かれてるんだみたいな、全然文法が違うということを学び始めたんです。

――映像と漫画の最大の違いは何だと思いますか。

池袋:「ページをめくる」ところ。それによって読者が参加することになるじゃないですか。映像は受動的に流れていきますが、漫画は「めくって何が出てくるか」という楽しみを作ることができます。描いていて一番喜びを感じるのは、そこかもしれないです。

――もし心霊写真を撮れる能力があったら何を撮ります?

池袋:自分の地元が池袋なんですけど、やっぱり豊島区周辺を撮ってみたい気持ちはあります。地元の歴史を勉強して「ヤミ市」が盛んだったと知ったときは小学生だったこともあり、言葉の響きにワクワクしましたね。豊島区の闇市の亡霊がいたら、写真に撮ってみたいです。

――最後に『心霊写真密売マニュアル』は今後どう描いていくか教えてください。

池袋:第2巻で謎がだんだんと明かされていくので、気になっている方はチェックしてください。単行本の紙質や装丁にもこだわっているので紙で手に取っていただけたら嬉しいです。


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