“前田太尊”がマクドナルドCMに登場? 伝説的ヤンキー漫画『ろくでなしBLUES』とのシナジーを考察
マクドナルドの新CM「今しかできねーこと」篇が、1月13日から放映され、話題を呼んでいる。1990年代の「週刊少年ジャンプ」を代表する伝説的ヤンキー漫画『ろくでなしBLUES』の主人公・前田太尊を彷彿とさえる“眞栄田太尊”として、俳優の眞栄田郷敦がリーゼント姿で登場。連載時の熱狂を知る世代を中心に大きな盛り上がりを見せている。このコラボにあわせ、太尊が通う帝拳高校がある“聖地”吉祥寺の駅ホームには作者・森田まさのり氏が描き下ろした広告も展開された(現在は終了)。
マクドナルド X(@McDonaldsJapan)より
それにしてもなぜ、令和の今にこのタッグが実現したのか。このコラボは、1月14日から期間限定で発売されている「スパイシーチキンマックナゲット 黒胡椒ガーリック」のプロモーションの一環となっているが、新商品と作品世界がマッチングする3つの理由を考察したい。
まずは、商品の「ガツンとくる刺激」と作品の「ハードな男気」の相性の良さだ。口の中で弾けるスパイシーさとガーリックのパンチが最大の特徴となっているが、この「一度食べたら忘れられない強烈な刺激」は、太尊が繰り出す必殺のアッパーカットや名シーンがありすぎるライバルたちとの死闘と見事にマッチしていると言えるだろう。
マクドナルド X(@McDonaldsJapan)より
撮影現場では、眞栄田自らが監督に対し、吠える際のセリフを「ウォー」から「オラー」へ変更することを提案したというエピソードがある。この気合の入った「パンチの効いた満足感」こそが、ナゲットの刺激を「喧嘩の衝撃」に見立て、爽快な作品カラーと重なり合わせる狙いがあったと見る。
続いては、「今しかできねーこと」に凝縮された期間限定の美学である。CMのキャッチコピーであるこの言葉は、「二度と戻らない青春の輝き」を象徴している。期間限定販売という「今しか食べられない」希少性が、3年間という限られた高校生活の中で、エネルギーを爆発させる太尊たちとシンクロ。原作の太尊は、ボクシングの世界チャンピオンを夢に描きつつも、喧嘩に明け暮れ、時に負けることもあるが、仲間のピンチにはボロボロになりながら立ち上がる。そんな不器用で青臭い生き様は、「青春の刹那」そのものだ。
そして、「チキンマックナゲット」は長年愛される普遍的なメニューでありながら、現代的なスパイスを加えてアップデートし続けてきた商品。“リーゼント姿の眞栄田郷敦”という「強烈なビジュアル」は、原作を知らない若い世代の目にも留まりやすい。マクドナルド公式Xが、13日に「日本中の帝拳高校OBたちよ、ジョージ駅に集まれ」とコメントしていたことから、往年の読者世代がターゲットになっていると思われるが、昨今、「90年代カルチャー」は若者には「ニューレトロ」、大人には「不滅の定番」として幅広く訴求できることからブームに。『ろくブル』もSNSでの話題性を確実に狙える「世代を超えたアイコン」となるはずだ。
マクドナルド X(@McDonaldsJapan)より
本作が、伝説的作品と言われるのは、単なる喧嘩漫画の枠に収まらない多層的な面白さがあるから。個性豊かな仲間たちとの絆や、「東京四天王」と呼ばれる猛者たちとのバトルを通じた「リーダー論」、作者が心酔するTHE BLUE HEARTSをモチーフにしたキャラやセリフ、ヒロインとの不器用な恋模様など、令和の感性で見ても「エモい」要素が随所に散りばめられている。
森田作品といえば、ドラマ化された『ROOKIES』や『べしゃり暮らし』を思い出す人が多いかもしれないが、その原点となった『ろくブル』もぜひチェックしてもらいたい。