『ちいかわ』最長編の「島編」は"食"に注目? 焼きそば、カレー、ビール……「資さんうどん」公式Xも反応

 イラストレーター・ナガノ氏が描く人気作品『ちいかわ』。本作のコミックス最新第8巻が、2025年11月21日に講談社より発売される。

 第8巻には2023年3月から同年の12月までX(旧Twitter)上で連載されたシリーズ最大の長編エピソード「島編」が収録。人気の高いエピソードであるため、発売に先駆けファンを中心に盛り上がりを見せている。注目が集まる最新刊の魅力を”食”の面から一部紹介したい。

 ちいかわたちが見つけたのは「島でのカンタンな討伐で/100倍の報酬をもらおう」「限定島ラーメンに/甘いもの・辛(から)いもの、みーんな実質無料…」と書かれた怪しいチラシ。

 ハチワレの師匠的存在・ラッコ(先生)を誘いつつ、チラシを手にしたモモンガや古本屋、くりまんじゅうやシーサーなど、チラシの島へと向かう一行。現地では島民たちから熱烈な歓迎を受け、美味しそうな食べ物を堪能する。

 しかし、ちいかわたちを歓迎する島民たちにはとある事情がありーー。物語中盤からは一行、とくにちいかわの大冒険が描かれる長編エピソードだ。

 美味しそうな食べ物が数多く描かれる『ちいかわ』だが、「島編」においてもさまざまな食べ物、そしてそれらを堪能するちいかわたちの姿が描かれる。焼きそばやフルーツパフェ、チーズナンなど……。美味しいものを純粋に楽しみ、喜ぶちいかわたちが登場する。

 「おいし~い屋台~がて~んこもり~/わたあ~め/ビールにじゃがバタ~」「てりて~りソースの/焼きそば~」といった、食べ物に関する歌に合わせて踊る南国風の衣装を着たちいかわたち。現在シーズン真っ只中である夏祭りを連想した読者も多いことだろう。

 そんな「島編」に登場する新キャラクター・島二郎。初登場時の描かれ方や『ちいかわ』の世界で明らかに異彩を放つ見た目に、連載時には読者に強烈なインパクトを与えたキャラクターだ。

 島二郎は島内で飲食店を営む人物。紆余曲折あり1人取り残されてしまったちいかわにカツカレーと貝汁を振る舞い、落ち込むちいかわに元気を与えた。

 前述したように『ちいかわ』では食べ物が数多く描かれる。ときに美味しいものを口にした喜びやうれしさを表情や仕草で表現するキャラクターたち。ときに島二郎のカツカレー・貝汁のような料理から安心やぬくもりを得るキャラクターたち。「島編」は『ちいかわ』で描かれてきたキャラクターと食べ物との関係、食べ物の魅力を再認識できる長編エピソードであろう。

 ちなみにコミックス第8巻では「人魚の島のひみつのふせんブック」と「特製ノート」付きの特装版も発売される。「ふせんブック」の予想は物語の重大なネタバレとなってしまうため記述を控えるが、もう一方の「特製ノート」は作中で島二郎が手にする「貝汁&カレー(カツ有・ナシ)レシピ」の本の可能性があるだろう。

 本編の連載時、うどんチェーン店「資さんうどん」の公式Xは『ちいかわ』の投稿に「#資さんうどん◥█̆̈◤∥に、カツカレー🍛と貝汁、どちらもありますね(一部店舗除く)」と反応。SNSでは聖地巡礼として「資さんうどん」でカツカレーと貝汁を写真に収めた投稿が数多く見られた。もしも公式レシピとして島二郎の料理を楽しめることになった際には、今度はカツカレー·貝汁を自宅で再現する投稿が増えそうだ。

 シリーズ最大の長編エピソードである「島編」では、食べ物の魅力はもちろん、1人ぼっちとなったちいかわが仲間のために奮闘したり、とある真実を知ってしまったちいかわが葛藤したりなど、大スペクタクルとほろ苦さが共存するお話。コミックス第8巻は『ちいかわ』のさまざまな味がつまった1冊と言えるかもしれない。

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