【漫画】誰もやりたがらない町内会の仕事を押し付けられたら? 交通委員に奮闘する女性のエッセイ漫画


ーー本作を描いたきっかけを教えてください。

峯鳥子:私は、普段から趣味で日常のささいなエピソードをエッセイ漫画にしてXにアップしているんです。今回はXにアップする用として、私が実際に1年間「市の交通委員」をした体験・感想を漫画にしようと思い描き始めました。

ーー交通委員を頼まれたときは、率直にどのような気持ちになりましたか?

峯鳥子:正直、「面倒くさいことになった…」と思いました。任期は2年間と長かったですし、毎月「交通事故0の日(10日・20日・30日)」の朝、交差点に1時間も立つのは辛そうだと思ったんです。

ーー同じ状況であればそう感じる人も多いと思います。交通委員を始めて1年が経過した頃、交通事故死がゼロだったと伝えられたんですよね。

峯鳥子:私の住んでいる市ではなんと9年ぶりに交通事故死が0人ということで、とても嬉しかったです!

 交通事故自体が0になったわけではありませんでしたが、もしかしたら交通委員が「交通事故0の日」のパネルを持って交差点で立ち続けたことが、ドライバーさんにとって少しでも気を引き締めるきっかけになったのかもしれません。交通委員としての活動が今回の結果につながったのかもしれないと思うと、がんばって立った甲斐があったなと思います。

ーー実際に、何かトラブルの対応などをする機会はありましたか?

峯鳥子:それが、本当にほぼ立ってるだけでした。ただ、小学生の子供達が横断歩道を渡りきるまでサポートしたり、通りかかる人達に積極的に挨拶したりはしていました。

 私の市では小学校は集団登校なのですが、遅れて1人でぽつんと登校する子がだいたい何人かいるんです。余計なお世話かもしれませんが、その子達が見えなくなるまでは「何かあったら私が対応する!」という気持ちで見守っていましたね。

ーー本作を通して、特に伝えたいメッセージを教えてください。

峯鳥子:「面倒くさそうだし、やりたくないな…」と避けていたことを実際にやってみると、予想外の発見があったり、これまでとは違った見方が出来るようになる場合もあります。私の場合は「交通委員」がそうでした。

 交通委員は、一見ただ制服を着て立っているだけです。しかし、少しでも「見守る目」があることが、不審者から子ども達を守ることなども含め、安全な環境作りにつながるのではないかと考えるようになりました。

 小さな取り組みが、巡り巡って大きな結果をもたらすこともあります。意味がなさそうなことでも、自分なりに良い点ややりがいを見つけて取り組んだ方がストレスも少ないですよね。どうせやるなら「イヤイヤより、前向きに」です!

ーー峯鳥子さんが漫画を描き始めたきっかけは?

峯鳥子:エッセイ漫画を描き始めたのは、コロナが流行りだした時期でした。これまでの日常が壊れていきそうな不安を感じ、なにげない家族との日常を漫画にしようと思ったんです。

ーー今後はどのような漫画を描きたいですか?

峯鳥子:これからも、日常のほっこりエピソードやあたたかい瞬間を切り取ってエッセイ漫画にしていけたらと思っています。食べ物を描くのが好きなので、グルメエッセイ漫画も描き続けていきたいです。

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