【2025.2.18 週間漫画ランキング】『魔入りました!入間くん』謎多きイケメン・「新13冠」メフィストに胸が高なる

2月18日付け週間漫画ランキング

1.ワールドトリガー(28)/葦原大介/集英社
2.MIX(23)/あだち充/小学館
3.魔入りました!入間くん(41)/西修/秋田書店
4.ゆびさきと恋々(12)/森下suu/講談社
5.転生したらスライムだった件(28)/川上泰樹・伏瀬ほか/講談社
6.転生賢者の異世界ライフ~第二の職業を得て、世界最強になりました~(27)/進行諸島・彭傑ほか/スクウェア・エニックス
7.MFゴースト(22)/しげの秀一/講談社
8.転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます(18)/石沢庸介・謙虚なサークルほか/講談社
9.BORUTO―TWO BLUE VORTEX―(4)/池本幹雄・岸本斉史/集英社
10.信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します! (15)/大前貴史・明鏡シスイほか/講談社

 2月18日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、「魔入りました!入間くん メフィスト」の検索ワードが急上昇している、西修による『魔入りました!入間くん』(秋田書店)をピックアップ。

 本作は、お金欲しさに両親に魂を売られ、悪魔たちが住む魔界に召喚された人間・鈴木入間が、魔界TOP3の1人である悪魔・サリバンの孫として悪魔学校バビルスに通うことになる学園ファンタジーコメディだ。はじめは人間とバレてはいけないという恐怖心から萎縮していたものの、今まで経験できなかった学園生活や、素性を隠したままでも受け入れてくれるクラスメイト達によって、バビルスの中心メンバーへと変化を遂げていく。

 入間の成長にも驚かされるが、新章スカーラ編に登場している新キャラのメフィストにも注目が集まっている。突如として登場し魔界を代表する13人の高位悪魔「13冠」入りを果たすと、同じく「13冠」候補だったキャラクターが一体のクラーケンを倒す間にメフィストは10体以上を倒すという作中屈指の戦闘力を持っている。能力については謎が多く、ぽっかりと丸い穴を開ける能力が物理的なものなのか、空間そのものに干渉しているものなのかなど、様々な考察を呼んだ。飄々としたキャラクターだっただけに、メフィストはより印象強く残ったのだろう。

 最新41巻では、入間は悪魔の階級6の試練「スカーラ」のため、「13冠」の一柱・メフィストの試練に挑む。冒頭には「新13冠」となった謎多き男メフィストが、古くより素質あるものを魔王へと導くキングメイカーだった過去が明らかとなった。それゆえに、メフィストがとった行動が今後のストーリーを大きく左右するのでは、と胸が高なった読者も多いだろう。

 肝心の試練で、入間には多耳族の保護・安寧が課せられる。悪魔の中でも群を抜く聴覚を持つが他に何も取り柄がないとされる彼らは、長年権力者の元で働いて種族を存続させてきた歴史があり、入間は苦戦する。そんな中、聴力が一般的である一人の少年がこの生き方を変えたいと勇気を振り絞り、周囲から煙たがられても入間に協力し、努力を続ける姿は涙なしには語れない。

 また、真剣な顔をしてシリアスな展開をぶった斬る入間も面白みが深い。良い意味で裏切られたキャラクターと読者は目が点になるも、時同じくして思わず笑いが溢れる。ストーリー性もさることながら、キャラクター達の人間性が詰まっており、シリアスからコメディまで緩急が効いている点も本作の魅力の一つだろう。

 また、複数あるスピンオフ作品も大人気連載中だ。本編では登場していない新たなキャラクターを主人公に据えた、『魔界の主役は我々だ』や、舞台を変え入間をマフィアの若頭として描いた『魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア』など様々な視点から楽しめる。心温まるサクセスストーリーを一度体感してみてほしい。

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