『メダリスト』オリンピックの金メダルには何点必要? 主人公・結束いのり、演技構成や必要条件を考察
いのりが優勝するための戦略は?
北京オリンピック1位のシェルバコワと、2位のアレクサンドラ・トゥルソワの勝敗を分けたのは、プログラム全体の完成度だった。実はシェルバコワはショートとフリー共に2位。対するトゥルソワは、フリーこそ1位だったがショートでは4位で、最終的に合計得点で及ばず総合順位2位となっている。
シェルバコワのとった戦法は、ショートは手堅くまとめて減点を極力避け、フリープログラムでは複数種類飛べる4回転ジャンプの中で、最も成功率の高いジャンプを得点源に、スピンやステップで高い加点をもらい点数を積み上げる、というものだった。
同じ戦術を使えば、ショートとフリー、どちらかで無理な構成にせずとも勝機は見えてくる。ショートはノーミス演技を実施。フリーでは、3回転アクセル(基礎点8.0点)と、シェルバコワが飛んだ4回転フリップよりも点数の高い4回転ルッツ(基礎点11.5点)とそのコンビネーションジャンプをしっかり着氷し、いのりならではのスピードのあるスケーティングを駆使すれば、金メダルを獲れる可能性は十分あると言えるだろう。
コミック最新刊で、ジュニアクラスに昇格しついに強化選手としての道を歩み出したいのり。今後、高難度ジャンプ習得や、オリンピックの代表選考に関する熱いエピソードが読めることにも期待したい。