「ズッコケ三人組」絵本作家・那須正幹の未発表作『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』が発売

 児童文学作家・那須正幹の未発表作、絵本『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(ポプラ社)が、2月5日(水)に発売された。

  広島出身で3歳で被爆した経験を持ち、「ズッコケ三人組」シリーズ(ポプラ社刊)をはじめ、子どもたちに支持される数多くの作品を残した児童文学作家・那須正幹。本作は那須氏が2013年頃、広島の被爆70年に向けて歌の歌詞を依頼されて書いた「ばあちゃんの詩」を絵本化したものだ。

 那須氏に歌詞の依頼をしたのは、当時広島市東区民文化センター館長を務めていた山本真治氏。2014年に「ばあちゃんの詩」の原稿を受け取りましたが、那須氏が手掛けたもう一つの作品が合唱曲「ふるさとの詩」として完成。「ばあちゃんの詩」は歌詞というよりも物語的な内容だったため歌には採用されず、原稿のまま保管されていたという。

 その後、那須氏が2021年に79歳で逝去した後に「ばあちゃんの詩」が発見され、貴重な遺作として話題を呼んだ。

  本作の絵を担当したのは、『となりのせきのますだくん』(1991年、ポプラ社刊)をはじめ数多くの絵本作品を手掛ける武田美穂氏。同じく戦争をテーマに描いた異色の絵本『ねんどの神さま』(1993年、ポプラ社刊)でもコンビを組んだ那須氏と武田氏が、親しみやすい文章と絵でおくる、子どもたちが戦争について考える入り口として最適の一冊だ。

【書誌情報】

タイトル:『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』

著者:作/那須正幹 絵/武田美穂
定価:1,980円(税込)
発売:2025年2月5日

関連記事