『メダリスト』は今シーズンの覇権アニメに? 大ヒット間違いなしと言われる3つの理由とは
フィギュアスケートへの強い憧れを抱く少女、結束いのりと彼女をコーチとして支える明浦路司(あけうらじつかさ)の2人を中心に展開される物語『メダリスト』(つるまいかだ)。2025年1月4日に待望のアニメ第1話が放送され、多くの反響を呼んでいる。
早くも今期の覇権アニメ確定との呼び声も高いアニメ『メダリスト』が大ヒット必至の理由について述べていきたい。
ファンの熱量が高いフィギュアスケート
まずはフィギュアスケートという競技自体の日本での人気の高さを理由に挙げたい。
記憶に新しいところではソチ・平昌五輪で2大会連続金メダルを獲得した羽生結弦の功績だろう。怪我の影響が心配された2018年の平昌五輪では不屈の闘志で観衆を魅了するスケーティングを披露し、テレビ中継の瞬間最高視聴率46%を記録。プロ転校後の2023年2月26日には東京ドームでアイスショーを開催し1日で3万5千人、ライブビューイングと合わせて実に6万5千人を動員し、羽生結弦フィーバーを象徴する伝説を残している。
現在も女子1位に君臨している坂本花織選手を筆頭に、世界ランク10位以内に男女共に4名ずつ選出されるなど国際的に見ても高いレベルの選手が集っている。フィギュアスケートではジュニアより更に下に(主に小学生を対象にした)ノービスA・Bというカテゴリーがあり、日本スケート連盟が主催する「全日本フィギュアスケートノービス選手権」という全国大会が設けられている。早い年齢から全国規模で切磋琢磨できる環境があることも日本の強さの秘訣と言っていいだろう。
競技者のレベル、そして競技自体への世間の関心度が高い中で、フィギュアスケートが題材のアニメが放映されたことでフィギュアファン層からの注目度も高まっていることは間違いない。『メダリスト』という作品に登場する選手達がフィギュアスケートに取り組んでいる子供たちの憧れ、目標になる未来もそう遠くないはず。ノービスからメダリストを目指すいのりがこれからどんな成長を遂げていくのか、要注目だ。
漫画業界でも金メダル級の圧倒的評価点
次に挙げたいのが原作『メダリスト』の漫画業界内での評価の高さだ。
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第1位、2023年1月には第68回「小学館漫画賞」一般向け部門を受賞。更に2024年5月には第48回「講談社漫画賞」総合部門を受賞と名だたる漫画賞の受賞歴を誇る。
驚くべきことに作者のつるまいかだは『メダリスト』が初の連載作品となる。作者のフィギュアスケートにかける情熱と、選手とコーチの関係性の描写が令和時代の新しい形のスポーツ漫画として高く評価されている作品だと言って差し支えないだろう。講談社漫画賞の授賞式の場では「既にアニメ化が決まっているが、アニメが漫画を超えられないのでは」との声が選考委員から上がる程に漫画としての魅力を高く評価する声があったそうだ。
つるまいかだは2018年に講談社がCOMITIAで行った「即日新人賞」を受賞したことがきっかけで、漫画家を目指す為に仕事を辞めたそうだ。本気でプロを目指すなら5歳から始めないと厳しいと言われるフィギュアスケートの世界で、司に背中を押され11歳から挑戦を始めたいのりと同様、受賞という後押しを受けて1歩を踏み出したことで生まれた物語であることを知ると、更に作品へ深く感情移入できる幅が広がるというものだろう。