後藤真希の過激写真集『flos』なぜ好感度高い? 掟ポルシェ「”透けて見える”に留めているのがポイント」
後藤真希のデビュー25周年記念写真集『flos』(11月29日発売/講談社)が快進撃を続けている。ヘアヌード、バストトップが透けて見えるカットも含む攻めた内容で話題をさらい、早くも5刷が決定しているほか、発売から3日で講談社が展開するデジタル版写真集で累計1位記録を塗り替えたことも発表されている。
往年のモーニング娘。ファンで、プロインタビュアー・吉田豪の著書『証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代』でもトップバッターを務めた掟ポルシェ氏は、本作をどう見たのか。
「アイドルのヘアヌード写真集は1990年代に流行りましたが、そのほとんどが仏頂面で、アイドル自身が望んでやっている感じじゃなかったし、脱いだこと/脱がせたことに怒るファンが少なくなかった。でも、今回の写真集はみんな喜んでいますよね。アイドルの攻めた写真集は、タレントとしての鮮度が落ちてきて、話題作りや借金返済のために仕方なく……というイメージがついて回るけれど、後藤真希さんの場合は40代を前にして自ら『さぁ見ておくれ!』という感じで、そういう悲壮感がまったくない。
乳首が”透けて見える”というところに留めているのが大きなポイントで、これは、山口百恵さんと篠山紀信さんが作ったアイドル写真集の限界ラインを踏襲している。“これ以上やったらみんな引いてしまう”というギリギリのラインを本人もわかってやっているから、ファンにも納得感があるし、純粋に『見せてくれてありがとう!』という感謝の気持ちが湧いてくる一冊ですよね」
今回の写真集が痛快かつ好感度が高い理由として、後藤真希がもともと「清純派」で売っていたわけではなく、さらにファンとの垣根をつくらずに「もしかしたらワンチャンあるかも」という幻想を抱かせてくれる存在だったことも大きいと、掟ポルシェ氏は分析する。本来なら大きくファンの不興を買うスキャンダルすら、飲み込んで魅力に変えてきた経緯があるという。
「2019年に不倫スキャンダルが報じられましたが、相手が趣味のネットゲーム(モンスターハンター)で知り合った男性だったということで、結果としてタレントイメージは汚されず、むしろ親近感につながったところがありました。また、後藤さんの実家で、家族で経営していた居酒屋『袋田の滝』には多くのハードコアなファンが訪れましたが、本人もしょっちゅうやって来て彼らを喜ばせていた。常連客に対してはおねだりをしてくれて、それに素直に従うのがうれしくて仕方がない“ヲタ奴隷”たちーー本来は濃いファンほど過激な写真集には怒るところだけれど、後藤真希の場合はやっぱり『ごっちんはそういう人だよね』という納得感があるんです。フランクでフレンドリーなところが自分の魅力だと自覚していて、その感覚が写真にも出ているから、不倫の温泉旅行を彷彿とさせるようなカットにさえ、嫌な感じが全然しない。ファンが求めるものを理解して、誰も怒らないような配慮がちゃんとされていると思います」