【漫画】ヤングケアラーや教育格差……切実な問題を伝える『マンボウよ海にかえれ』がシュールであたたかい
ヤングケアラーや地方と都市部の教育格差など、現実に子どもたちが直面している問題。10月上旬にXに投稿されたオリジナル漫画『マンボウよ海にかえれ』は、「喋るマンボウ」という一見シュールな存在を介して、そんな問題を俯瞰的な視点で、しかし切実に考えさせてくれる作品だ。
女子高生の笹木元子は懸命に働くシングルマザーの母親の代わり、まだ小さい弟妹の世話から家事まで一手に担っている。密かに興味のある海洋学を学ぶために進学したいと思っているが、条件に合う大学は近隣にない。何より、家族のことを思えば地元を出るという選択もない。やり場のないモヤモヤ感を抱きながら日々過ごしていた時、浜に打ち上げられていたマンボウから“話しかけられ”て――。
本作を手掛けたのは、母子健康手帳の「2歳のころの好きなこと」という記入欄に「絵を描くこと」と書かれているなど、物心つく前から絵を描くことが好きだったと話す出路かし魚さん(@kashio_dezhi)。現在も漫画家のアシスタントを務め、絵を描く日々を送っているという。シリアスな問題をあたたかく、ドラマチックに描いた本作が誕生した経緯など、話を聞いた。(望月悠木)