『うる星やつら』から『地獄先生ぬ~べ~』まで……いつの間にかメインの座を奪われた漫画のヒロインたち

 漫画の世界には、主人公とともにその人気を支える魅力的なヒロインが多い。しかし、当初はメインヒロインだったのに、いつの間にか他の女性にその座を奪われてしまったヒロインたちも少なくない。

平凡な幼馴染の女の子では物足りなかったのか?

 連載開始から40年以上経った今でも根強い人気がある『うる星やつら』。ヒロインはもちろん、虎柄のビキニが特徴的な鬼の女の子、ラムちゃんだ。1980年代には「ラムのラブソング」が大ヒットするなど、最高にキュートなラムちゃんに男女問わず憧れた人も多いだろう。

 実は第2話までは主人公のクラスメイトで、幼馴染の三宅しのぶがメインヒロインだった。ラムちゃんは第1話のみ登場のゲストキャラだったため、実際に第2話には登場していない。

 しかし第3話の構成に煮詰まった作者が苦肉の策でラムちゃんを再登場させると、上手い具合に世界観がまとまってしまったそう。そのため、そのままラムちゃんがメインヒロインとなり、しのぶはヒロインから降ろされてしまった。しのぶには可哀想だが、もしラムちゃんがヒロインにならなければ、ここまで愛される作品にはならなかったかもしれない。

最後まで結ばれなかったヒロイン

 主人公・神咲雫が幻のワイン“神の雫”を探し求める物語を描いた『神の雫』。独特なワインの表現などが支持され、テレビドラマにもなった人気漫画だ。ワインを巡るメインストーリーとは別に、主人公とヒロイン・紫野原みやびの恋の行方も読者に温かく見守られてきた。2人はくっつきそうでくっつかない微妙な距離感でいたため、最後の最後に結ばれると信じていた読者も多いと思う。

 しかし続編『マリアージュ~神の雫 最終章~』のラストで、お互い別々に旅することを決意。「ウソだろ!?」「くっつかないの!?」と読者を驚かせ話題となった。驚きはこれだけではない。さらなる続編『神の雫 deuxieme』の最終回では、なんと雫はかつてのライバル・遠峰一青の妹・セーラと、みやびも別の男性をパートナーに選び、それぞれ子どもをもうけている。しかも子どもの年齢を考えると、雫はみやびと離れてから割とすぐにセーラと男女の仲になっている計算だ。さすがにこの展開には「雫にがっかりした」「みやびちゃんが報われなさすぎて泣ける」と衝撃を受けた読者は多い。

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