時代が求めた“マンガ×音楽”の強力タッグ 「Project CO-MUSIX」第一弾『すべてがサヨナラになる』はカルチャーを横断する名作に

 YouTube、TikTok、InstagramといったSNSの浸透によって、実写映像、アニメーション、絵、漫画、音楽を組み合わせた、視覚と聴覚を同時に楽しませる表現に注目が集まるようになって久しい。

 それに伴い、アニメと音楽が相乗効果で広まる現象も増えてきている。これまでも、日本の“アニソン”というジャンルは国境を越えてきたし、アニメ主題歌のタイアップで知名度を高めたアーティストもたくさんいるけれど、あらためてSNS時代の力を感じたのは2023年。アニメ『【推しの子】』(TOKYO MXほか)のオープニング主題歌、YOASOBI「アイドル」の世界的大ヒットはやはりひとつのきっかけとなっただろう。その力は2024年に入っても減速することなく、アニメ『マッシュル-MASHLE-』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマであるCreepy Nuts「Bling‐Bang‐Bang‐Born」が世界中を踊らせている。

 そんななかで、「マンガ×音楽」のクロスメディアプロジェクト『Project CO-MUSIX』が始動することとなった。

 「Project CO-MUSIX」は、数多くの人気アーティストを抱える芸能事務所・アミューズと、コミック配信サービス・まんが王国を運営するビーグリーが共同で立ち上げたプロジェクト。マンガや音楽をスマホで視聴する機会が増えた今、マンガと音楽それぞれが持つ楽しみ方を融合させて、作品の魅力を広げてほしいという願いが込められている。

 具体的には、原案を元にマンガ家が描き上げたマンガに対して、アーティストがその世界観を表現したコラボ楽曲を提供。マンガと楽曲の掛け算で、読んだあと、聴いたあとに、世界観が立体的に膨らむような感覚を得ることができる。視覚を刺激してきたマンガ、聴覚を刺激してきた音楽。異なる感覚に刺激を与えているからこそ、それぞれの作家の才能やアーティストの感性が組み合わさり、無二の化学反応を起こすという、コラボレーションならではの面白味も味わえるのだ。

 その第一弾として3月25日から配信されたのが、“叶わぬ恋”をテーマとしたオムニバス作品『すべてがサヨナラになる』。スタートから、オムニバス形式で一気に4つの作品が配信されたのだ。


 仕事に生きる大人の女性である主人公が、初めて付き合った彼氏と聴いたCDを見つけたことをきっかけに過去を思い出すというリアルなストーリーを描いた餡蜜作『さよなら、私の青春』。そこに、もともと餡蜜の作品の読者だった由薫がこれぞ!という楽曲「Fish」をチョイスした。〈酒飲んで〉という投げやりなサビが印象的な大人っぽい楽曲で、リアルでありながらスタイリッシュでもあるところが、見事にマンガとシンクロしている。

【#すべてがサヨナラになる】「さよなら、私の青春」(漫画 :餡蜜、楽曲:由薫『Fish』 )

 続いて、80年代と現代に生きるふたりが共通の趣味である映画をきっかけに恋に落ちるという、あり得ない世界線を描きながら“時間/時代の流れ”というリアルなほろ苦さも感じさせるうたたね游による『30年後のはじめまして』。これを読んで、三阪咲が時代性までリンクさせて「ソレゾレ」を書き下ろした。三阪がマンガを読んだ際に感じた「キュン」という感覚を楽曲に落とし込んだような、切なくも温もりがある曲調からは、『30年後のはじめまして』という作品に対する思い入れも伝わってくる。

【#すべてがサヨナラになる】「30年後のはじめまして」(漫画 :うたたね游、楽曲:三阪咲『ソレゾレ』 )

 体調不良に陥った女子高生の主人公が、意外すぎる展開から幼少期より続いていた身近な愛に気づかされる、なかはら·ももた作『ずっとキミの側にいました』。この作品を読んだあとに、カメレオン·ライム·ウーピーパイが既存曲にリライトを加えたあたたかなバラード「This is Love (ずっとキミの側にいました ver.)」は、ささやくような歌声やポロポロと奏でられるピアノが魅力的で、思わずレコードで聴きたくなるような人肌が感じられる。マンガを読みながら「♪ララララ……」とハミングしたくなる、親和性があるナンバーだ。

【#すべてがサヨナラになる】「ずっとキミの側にいました」(漫画 :なかはら・ももた、楽曲: カメレオン・ライム・ウーピーパイ『This is Love (ずっとキミの側にいました ver.)』 )

 そして、職場では地味に見えるものの、実態はスマートフォンゲームに登場する二次元キャラクターに課金して愛を捧げ続けるために生活を切り詰めている主人公が登場する『ガチ恋と私、捧げます』。猫井ヤスユキによる作品をイメージに、佐藤日向が初めての作詞に挑んだのが書き下ろし楽曲「キミだけ見てたい」だ。佐藤は『WEBザテレビジョン』にてエッセイ連載を持っており、過去には書評連載をしていたりと文学やマンガに造詣が深い。さらに声優としても活躍中。今回もマンガを読み込んで向き合ったことがわかる、軽快なポップさのなかに“推し”の深みを感じさせる楽曲になっている。

【#すべてがサヨナラになる】「ガチ恋と私、捧げます」(漫画 :猫井ヤスユキ、楽曲:佐藤日向 『キミだけ見てたい』 )

 マンガをきっかけに楽曲を聴く人もいるだろうし、楽曲をきっかけにマンガを読む人もいるだろう。このプロジェクトは、マンガと音楽という確立されたカルチャーを橋渡しする役割も果たすはずだ。マンガ家とアーティストがお互いにリスペクトし合い、刺激を与え合うことによって、これまでになかった創作が生まれるという展開も期待できる。

 『Project CO-MUSIX』は、マンガ×音楽に留まらず、TikTokでの実写ドラマも配信が開始された。この先、アニメ、テレビドラマ、映画や舞台など、その枠を飛び越えて、幅広いジャンルにシームレスにつながっていく可能性もあるだろう。気が早いかもしれないけれど、今後いったいどんなテーマで、どんな作品が描かれ、どんなアーティストが起用されるのか――第2弾を早くも楽しみに待ちたい。

 『Project CO-MUSIX』配信情報

『さよなら、私の青春』
漫画:餡蜜
原案:Project CO-MUSIX
音楽:「Fish」由薫
TikTokドラマ出演:坂ノ上茜、太田将熙 他
TikTokドラマ監督:Aimi

『30年後のはじめまして』
漫画:うたたね游
原案:Project CO-MUSIX
音楽:「ソレゾレ」三阪咲
TikTokドラマ出演:新谷ゆづみ、青山凌大、伊礼姫奈、濱仲太
TikTokドラマ監督:中山佳香

『ガチ恋と私、捧げます』(前編)
『ガチ恋と私、捧げます』(後編)
漫画:猫井ヤスユキ
原案:Project CO-MUSIX
音楽:「キミだけ見てたい」佐藤日向
TikTokドラマ出演者:宮下咲、小林大斗、岡崎ゆう、波多野翔(声)
TikTokドラマ監督:中山佳香

『ずっとキミの側にいました』
漫画:なかはら・ももた
原案:Project CO-MUSIX
音楽:「This is Love(ずっとキミの側にいました ver.)」カメレオン・ライム・ウーピーパイ
TikTokドラマ出演者:伊礼姫奈、新原泰佑、新谷ゆづみ
TikTokドラマ監督:中山佳香

配信先:ショードラ/SHOW DRAMA『すべてがサヨナラになる』TikTokドラマアカウント
https://www.tiktok.com/@showdrama_24

■関連リンク
『Project CO-MUSIX』
オフィシャルサイト:https://co-musix.com
オフィシャルX(旧Twitter):https://twitter.com/ProjectCOMUSIX
オフィシャルTikTok:https://www.tiktok.com/@projectcomusix
YouTubeチャンネル「Amuse Official Channel」 Project CO-MUSIX「すべてがサヨナラになる」再生リスト:
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0vFchOvCttNktv1b2W9I3s5QuGg_JnZm
楽曲配信:https://lnk.to/SubetegaSAYONARAninaruPR
アミューズオフィシャルサイト:https://www.amuse.co.jp/

ショードラ/SHOW DRAMA
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