『ドラゴンボール』から『ONE PIECE』『呪術廻戦』まで……ジャンプ漫画、熱すぎる“総力戦”のエピソード

タイマンが多い『ONE PIECE』にも例外があった?

  そうした系譜とは対称的に、現在の『週刊少年ジャンプ』の看板マンガである『ONE PIECE』は、タイマンでの戦いが多いように見える。大ボスを倒すのは、基本的には船長であるルフィの役目だ。

  しかし物語が進むにつれて例外も増え、スリラーバーク編では「麦わらの一味」による総力戦という珍しい展開が登場。またワノ国編では、カイドウとビッグ・マムという2人組が相手だったものの、ルフィが複数人の仲間たちと協力して戦うところが描かれていた。

 『ONE PIECE』と同じように、“特別な強敵”と戦う際にだけ総力戦を採用するバトルマンガも多い。具体的には、『るろうに剣心』の志々雄真実戦や、『封神演義』の聞仲戦などが挙げられるだろう。いずれも絶望感を煽る演出として、かなり効果的だった。

  また『NARUTO -ナルト-』の終盤では、それまで登場した忍たちが共闘する壮大なバトルが待ち受けていた。あらゆる因縁を乗り越えていくような展開に、多くの読者が胸を打たれたことは言うまでもない。

  現在連載中のジャンプマンガでも、『呪術廻戦』や『僕のヒーローアカデミア』などは、総力戦によってクライマックスの盛り上がりを演出している。今後もバトルマンガにおけるある種の王道パターンとして、変奏されていくのかもしれない。

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