『テイルズ オブ』シリーズ『風の大陸』ラノベやキャラデザで人気のイラストレーター、いのまたむつみ死去

 日本を代表するイラストレーターの1人であり、いのまたむつみ氏が3月10日に急逝していたことがわかった。いのまた氏の公式Xが発表した。

  代表作の人気ゲーム『テイルズ オブ』シリーズを筆頭に、『幻夢戦記レダ』『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』など多くの作品でキャラクターデザインなどを担当。他にも『小説ドラゴンクエスト』『風の大陸』などでイラストを手掛けた。

いのまたむつみ氏が描いた『新 風の大陸』(角川春樹事務所)の表紙イラスト

  いのまた氏によって描かれる繊細で美しい水彩タッチのイラストは、1980~90年代のゲームやライトノベルを代表する絵柄となった。いのまた氏に憧れて漫画やイラストを描き始めたプロも非常に多く、出版界、アニメ界に与えた影響は計り知れない。中川翔子ら著名人もいのまた氏について言及。SNS上でも「何度もイラストを模写しました」「先生の作品に魅了されていました」など、突然の死を惜しむコメントが多数投稿されている。

  訃報はいのまた氏の妹の名で発表され、「いのまたむつみは2024年3月10日永眠いたしました。あまりに突然の事で... 描きかけのラフもあり、いまも天国で描いているでしょう。だいすきな猫たちに囲まれて、可愛い、強い瞳のキャラたちをどんどん生み出しているはずです」と綴られ、家族も予測していなかった事態であったことがわかる。

  そして、「いのまたむつみを愛して応援していただきました全ての方々に心から感謝を申しあげます。そしてこれからも変わらず愛していただける事を願いまして、ここに謹んでご通知申しあげます。なお、葬儀は近親者のみで執り行いました。生前の本人の意向により、ご弔問・ご香典・ご供物・ご献花その他はご辞退申しあげます。何卒ご理解を賜りますよう宜しくお願い申しあげます」と、ポストした。

  株式会社KADOKAWAのファンタジア文庫・ドラゴンマガジン編集部、文芸局、ニュータイプ編集部は連名で「いのまたむつみ先生のご逝去の報に接し、誠に残念でなりません。謹んでお悔やみを申し上げます」と、Xにポスト。

  そのうえで、「弊社といのまた先生とは1980年代から長く深くお付き合いをさせていただきました。『風の大陸』『宇宙皇子(うつのみこ)』月刊ニュータイプでの版権イラストなどの様々なタイトルやシリーズを通じて、大変素敵なイラストを数多くご提供いただきました。誠に感謝しております。先生のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、深く哀悼の意をささげます」と、コメントした。

  今年に入って、一時代を築いた漫画家、イラストレーターなど、著名人が相次いで亡くなっている。いのまた氏も2月24日、Xに自身の展示会のお礼のメッセージをポストしているため、SNS上では衝撃が広がっている。

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