『ONE PIECE』五老星は悪魔、それとも妖怪?  謎に満ちた“異形”の正体を考察

※本稿は『ONE PIECE』原作最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 『ONE PIECE』の物語は現在、クライマックスを予感させる展開へなだれ込んでいるが、そこで気になるのが“五老星”の動向だ。3月4日発売の『週刊少年ジャンプ』14号(集英社)に掲載された第1109話「阻止」では、ついに五老星全員が戦場で勢ぞろいするような描写まで飛び出した。

 どうやら五老星はかなりの戦力を秘めている危険な存在のようだが、その正体は一体なんなのか。これまで作中に散りばめられてきた伏線をもとに、考察を行ってみよう。

  五老星の作中での位置付けは、天竜人の最高位にして、世界政府の最高権力者とされている。普段は聖地マリージョアでさまざまな策謀を巡らせているが、表舞台に出てくることも増えており、世界会議(レヴェリー)の裏側では革命軍参謀総長・サボと戦いを繰り広げていたことが印象的だ。その際、黒いシルエットになっていたものの、彼らが人間離れした“異形”の姿に変身できることが示唆されていた。

  では、そんな五老星の正体は何なのか、なぜ異形の姿に変化できるのか……。1つの仮説としては、“幻獣種の覚醒能力者”という考察が存在する。「悪魔の実」において、動物(ゾオン)系の幻獣種は希少価値が高く、カイドウやマルコ、センゴクといった実力者たちの能力として知られている。とくにカイドウは“最強生物”と名高く、龍の姿となってルフィを苦しめていたが、同じように五老星の面々も驚異のモンスターとして暴れまわるのかもしれない。

  ただ、第1090話「黄猿」では五老星の1人、ジェイガルシア・サターン聖が人間の命を「虫」と思うようにと部下に命じるところが描かれていた。このセリフから、サターン聖が自分を人間とは異なる存在、人間よりも上位の存在として認識しているように見えてしまう。

  さらに未来島エッグヘッドにおけるルフィとの戦いでは、ニカ状態での攻撃を受けても平然としており、“なぜかダメージが通らない”という異変が描写されている。あらゆる生物でもっとも頑丈なはずのカイドウですら、ニカ状態の攻撃にはたじろいでいたので、サターン聖の肉体には何か攻撃を通さない秘密が存在するのではないだろうか。そう考えると、五老星はたんなる幻獣種の能力者ではなく、もっと別の力を秘めた存在である可能性が高いのかもしれない。

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