『帰ってきたウルトラマン』怪獣66体がハイクオリティ画質で蘇る! マニアも納得の怪獣図鑑シリーズがすごい

 ウルトラマンシリーズのファンであれば誰もが一度は手に取ったであろう「怪獣図鑑」。今回は、双葉社から発売中の怪獣図鑑シリーズで、『ウルトラマン大怪獣図鑑』、『ウルトラマン大侵略者図鑑』に続く第3弾として、このほど刊行された『帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑』(メイン写真)を紹介したい。

シリーズ第一弾の『ウルトラマン大怪獣図鑑』

 「大怪獣図鑑シリーズ」のコンセプトは、「昭和世代が子どもの頃に読んでワクワクした怪獣図鑑を、令和の今に再構築する」というもの。子どもはもちろん大人まで、どの世代も楽しめる間口の広さを持つシリーズだ。懐かしい怪獣たちを配しつつも、原色を抑えた装丁には高級感があり、コレクター心をくすぐる仕上がりだ。テキストは分析的で、大人が楽しめる奥深い内容となっているが、総ルビとなっているため子どもにも親しみやすい。おじいちゃんから孫まで、家族みんなで読むのにもうってつけだろう。

 続いては、本シリーズ全体の中身に迫ってみたい。判型はB5サイズで「図鑑」と銘打ってあるだけあり、写真メインで構成されているのが何より嬉しい。どの写真も非常に見やすい迫力のあるサイズで、その画質も申し分がない。また、怪獣一体にあたり、基本4ページ(※一部例外もある)を割いており、1ページ目がメイン写真と怪獣の詳細解説、2ページ目が3面写真と身体各部の特徴と怪獣のバックボーンの解説、3~4ページ目が劇中での怪獣の活躍を堪能できる写真、さらに4ページ目下段には「ウルトラマンとの攻防」と題して、ウルトラマンと怪獣がどのような戦いを繰り広げられたのかが解説されている。シリーズ中でも特に宇宙人の多い『ウルトラセブン大侵略図鑑』では、各話に登場する宇宙人の地球侵略の目的や作戦をまとめた「侵略作戦/襲来作戦」のコーナーが設けられており、作品への理解をより深められる。また「足形」も外せない要素だ。各話の怪獣や宇宙人についての「見たい」「知りたい」情報は網羅されているといって良いだろう。

三面写真で怪獣の造形がしっかりとわかる内容に。(『帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑』より)
どのような戦いを繰り広げたのかも詳述している。(『帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑』より)

 特撮作品、特に古い作品では、現場で撮られたスチール写真があまり残っていないこともある。しかし、昨今ではスチール写真のみならず、映像からの「キャプチャー画像」をうまく使うことで、充実したビジュアルの書籍を制作することが可能になった。「大怪獣図鑑シリーズ」で使用されているキャプチャー画像はすべてHD画質で、本書に掲載するに当たって画質調整に力を注ぎ、さらにハイクオリティなものに仕上げているという。そのこだわりは是非、紙面から感じてほしい。

 最新作となる『帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑』では、全51話に登場した怪獣66体を収録し、総ページ数も232ページとシリーズ最多となり、非常に読み応えがある。もちろん過去二冊と同様、ウルトラマンジャック(現在の呼称)、MATについても掲載されており、ヒーロー&防衛隊の紹介にもぬかりがない。

ズラリとならぶ怪獣たちは壮観だ。

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