【漫画】Xで「いいね」1万オーバー! 寡黙な女子の“謎掛け”に痺れる百合漫画『恋の焦点(笑点)』

明るくてみんなから好かれる女性に対する憧れ

――今回『恋の焦点』を制作した経緯を教えてください。

原川:漫画賞に応募するために描いていました。もともとはもっと違うストーリーで描いていたのですが、なかなか思うように描けず、数か月いじくり回していました。「この方向じゃないな」と思って仕切り直してこの形になりました。

――なぜ性格が正反対の2人の女性による百合漫画にしたのですか?

原川:もともと女の子同士の絆を描いた物語が大好きです。また、私自身は一匹狼っぽく過ごしてしまうので、明るくてみんなから好かれる女性に対する憧れがあります。それらから着想を受けた、というわけではないのですが、その気持ちが無意識に表れた結果なのかもしれません。

――山際は原川さん自身をモデルに?

原川:いえいえ、山際さんにはモデルはいません。一方、杉田さんは私が今まで出会った素敵な女性のみなさんのイメージを少しずつ混ぜて練り上げました。

――冒頭の「……の隣の席の杉田さんです」というセリフで一気に胸を掴まれました。吸引力が強い冒頭はどのようにして誕生したのですか?

原川:これはもう本当になぜなのでしょうか。自分の良くないところなのですが、いつも何も考えずにネームを描き始めて「なぜか奇跡的に物語になった……良かった神様ありがとう……」ということを繰り返しています。違う冒頭で描き始めていたら違う物語になっていたかもしれません。やはりこの描き方は良くないので、プロット制作を訓練しています。

謎掛けを散りばめたワケ

――とりわけ山際と杉田の会話劇が魅力でした。ページ数の割にセリフ量が多い印象でしたが、2人のセリフはどのように意識したのですか?

原川:そうなんです!すぐセリフが多くなってしまいます!本作でもセリフ量が多くなり頑張って削ったため、意識したことと言えばその辺りかなと思います。セリフ量の調整も自分の漫画の改善点の一つですね……。

――会話劇で言うと、会話の中で時折なぞかけが登場します。なぜ謎掛けを随所に散りばめたのですか?

原川:まず本題『恋の焦点』の“焦点”は“『笑点』(日本テレビ系)”ともかけています。私は大喜利や謎掛けが上手な人を尊敬していて、『笑点』も子供のころから大好きです。内容は変わってしまいましたが、「シャレにならない悲しい出来事もシャレにして乗り越えよう」というテーマから始まり、当初のネームでも大喜利が出てきました。

――謎掛けに対する愛や憧れがあったからこそなのですね。

原川:そうですね。実生活では何も気の利いたことを言えない私ですが、山際さんが謎掛けで杉田さんを励ましたように、「読者さんが本作を読んでクスっとして少しでも楽しくなってもらえたらいいな」と思います。

――最後に今後の漫画制作における野心など教えてください。

原川:野心!? 本作も多くの人に読んでもらえたことにビックリしていますが、新しい連載を持つことが常に目標なのでそれに向けて頑張りたいです。また、Xにも読み切りを載せるつもりなので、読んでもらえたら嬉しいです。

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