ヒロユキに聞く「まんがタイムきらら」20周年の思い「どっちが長持ちするか、負けないように頑張る(笑)」

 芳文社が刊行する4コマ漫画雑誌「まんがタイムきらら(以下、きらら)」の12月号が発売された。この号で独立創刊20周年を迎えたことを記念し、特別小冊子が付属する特別な仕様となっている。

  小冊子には現在の「きらら」連載陣のほか、過去に連載をもっていたヒロユキ、荒井チェリー、そして姉妹紙からは『ぼっち・ざ・ろっく!』のはまじあきや『まちカドまぞく』の伊藤いづもがゲストとして参加。そして、『星屑テレパス』『しあわせ鳥見んぐ』のコラボ漫画が収録されている。

  芳文社は、長らくサラリーマンをターゲットにした漫画雑誌を刊行していたが、「きらら」は同社初となる萌え要素を前面に打ち出した漫画雑誌として、2002年に創刊。その後、姉妹紙として「まんがタイムきららキャラット」、「まんがタイムきららMAX」、「まんがタイムきららフォワード」などが創刊された。

  そして2023年現在では「きらら」発のヒット作が連発し、メディアミックスが積極的に行われて漫画界を席巻している。『ぼっち・ざ・ろっく!』の作者のはまじあきのように、少女漫画雑誌から「きらら」に発表の場を移してヒットを飛ばした例もあり、漫画家にとっても活動の場として無視できない存在になりつつある。

 リアルサウンドブックでは以前、『ドージンワーク』などのヒット作を生み、初期の「きらら」を知る漫画家の一人であるヒロユキに詳しい話をうかがった。ヒロユキは今回の特別小冊子に寄稿しているが、「きらら」が躍進することになった原動力はどこにあるのか。以前のインタビューで、ヒロユキはこう語っている。

「僕がいた頃の『きらら』はいろんな意味で緩かったように思うので、かなり無茶な内容も載せてもらっていました。『ドージンワーク』は当時の『きらら』だったからできたし、僕自身も試行錯誤できたのだと思っています。改めて、好きにやらせてくれた編集部には感謝しています」

 そんなヒロユキに、改めて、「きらら」が独立創刊20周年を迎えたことについて、話を聞いた。

 「一つの雑誌として、きららが20年続いたことも凄いですが、今なお多くの人を魅了していることも本当にスゴいことだと感じますね。僕の漫画家人生は『きらら』とほぼ同時に始まったので、どっちが長持ちするか、僕も負けないように頑張りたいです(笑)」

 「きらら」の特徴として、萌え系4コマ漫画雑誌という柱はあるものの、20年の間で、掲載される漫画のジャンルが非常に幅広くなったのが特徴といえる。そして、オタク男子向けの雑誌として創刊されたが、女性のファンも多く、小学生まで読者層が拡大している。

  次なる30年、50年後の「きらら」にはいったいどんな漫画が掲載されているだろうか。今後も「きらら」から目が離せない。

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