頂き女子りりちゃん事件で波紋、ホストクラブ法規制の論点は? 弁護士の見解を聞く

「今回の事件は、渡邊真衣容疑者が犯罪行為によって得た利益だと知りつつ、田中容疑者らが受け取ったとして、組織犯罪処罰法11条の犯罪収益等収受の容疑で逮捕されているようです。この法律は、組織犯罪に対処するために制定された法律であり、ここでいう組織犯罪とは国内で言えばいわゆる反社であり、国際的にはテロ組織等です。ホストクラブの店長も逮捕されているので、組織ぐるみと判断されたのか、何かまだ報道されていない事実関係があるのか、現時点の情報だけでは判断できかねますが、この法律がはたして本件に適用できるのか。少なくとも、似たような先例はなさそうです。

 ホストクラブ絡みのトラブルが増えているため、新たな切り口として犯罪収益等収受の方面から攻めることになったのかもしれません。ホストと女性との間のやり取りが証拠として残っているでしょうし、一緒に住むという体でマンションを借りていたりする場合もあるので、事情を知っていた、利用したとして挙げやすいのではないでしょうか」

 今回の事件を経て、ホストクラブ業界に変化は訪れるのだろうか。

「一定の抑止効果はあるかもしれません。また、犯罪収益等収受の疑いがかけられないように、お客さんとLINEで足がつくようなお金の話はしないといった対策も広がるかもしれません。今回の事件はまだ全体像も明らかになっていませんし、現時点での影響は未知数だと思います」

 東京都知事だった石原慎太郎氏は、2002年頃から歌舞伎町の「環境浄化作戦」を実施し、店舗型風俗店をはじめ個室マッサージ店や違法カジノ、猥褻ビデオ店など多くの店が廃業となった。しかし、代わりに非店舗型の風俗店や、路上で売春の客を待つ“立ちんぼ”が増えるなど、水面下でのサービスが行われる事例が増えたとも言われている。今回の事件はホストクラブ業界の健全化に繋がるのだろうかーー。

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